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コラム

みょうがラバーに捧げる!残暑に食べたい「混ぜごはん」がつまみにもピッタリ

【日常酒飯の「つまみめし」レシピvol.7】「お酒の締めにお米を食べようとすると、お腹がいっぱいで食べられない」。そんな声を聞くことがあります。ならば、お米を食べながら、お酒を楽しむのはどうでしょう? 思わずお酒が呑みたくなるようなお米料理、名付けて「つまみめし」。お酒の肴になるだけでなく、子どももおいしく食べられる楽しい“日常酒飯”ライフを、お米ライター・柏木智帆がお米のコバナシとともにご提案します。

暑くてもおいしく食べられる「ごはん」を見つけたい

まだまだ残暑が厳しい季節。暑くてごはんが重たく感じる…という時には、香味野菜を使った混ぜごはんはいかがでしょうか。

「ふだんはお米が好きだけど、夏は冷たい麺類を食べることが多い」。こんな声を耳にすることが多かったので、今年の夏は「暑くてもおいしく食べられるごはん」を探ってきました。

個人的には、醤油やみりんなどで調味する炊き込みごはんよりも、シンプルに塩だけで調味する混ぜごはんのほうが、さっぱりとした食べ心地で箸が進みました。さらに、香味野菜や白ごまなどを使うと、爽やかな香りや風味のおかげでいくらでも食べられます。

今年の夏、個人的にヒットした混ぜごはん

香味野菜や白ごまたっぷりの「冷や汁」は暑い夏でも食が進みますが、冷たいからおいしく食べられるというだけでなく、香味野菜や白ごまの要素も大きいのだと改めて感じました。

そして、今年の夏の混ぜごはんのハイライトは「枝豆みょうがごはん」。 みょうがの爽やかさ、枝豆の歯ごたえ、白ごまの香ばしさが絶妙!

塩を若干多めに入れると、お酒にピッタリの「つまみめし」にもなります。

コツはあっさりとしたお米よりも粘りが強めのお米を使うこと。白ごはんで食べるには夏はちょっと重たいかな…くらいのお米のほうが合うと感じます。その理由は、粘りが枝豆を包み込むから。あっさりとしたお米ではごはんと枝豆がばらばらの印象を受けますが、粘りによって枝豆を包み込むことで、ごはんと枝豆に一体感が生まれます。

白ごはんでは少々重たく感じていたコシヒカリで枝豆みょうがごはんを作ると、ごはんの重たさをまったくと言っていいほど感じませんでした。

枝豆は塩茹でして鞘から出したものがおすすめですが、「効率重視!」という人は冷凍枝豆を使うという手もあります(塩味は調整してみてください)。

混ぜごはんで知る“みょうがの底力”

枝豆を買い忘れたとき、刻みみょうがと白ごまと塩だけを混ぜた「みょうがごはん」を作ってみると、それだけでも十分においしく、これまで料理の添え物扱いをしてきたみょうがの見方が大きく変わり、栗ごはんの栗並の存在感を放つみょうがの底力を見せつけられました。

これもまた塩味を若干強めにするとお酒にピッタリの「つまみめし」になり、みょうがごはんに温泉玉子をのせるなどアレンジも楽しめます。

赤梅酢で漬けた刻みみょうがを混ぜたごはん

さらに、福島県福島市にある「食堂ヒトト」店長の宍戸佑三子さんから「梅酢に漬けた刻みみょうがを混ぜたごはん」を教えてもらいました。梅酢は、梅干し作りの副産物。早速ごはんに梅酢漬けの刻みみょうがと白ごまを混ぜてみると、爽やかな酸味と風味で、ちらし寿司を食べているかのようなさっぱりとした食べ心地でした。これもまた夏の「つまみめし」にピッタリです。

使う梅酢によっても味わいが違い、2年前に赤紫蘇を入れずに作った梅干しの白梅酢と、今年赤紫蘇を入れて作った梅干しの赤梅酢でそれぞれ作ってみると、白梅酢はまろやかで、赤梅酢は酸味が際立っていました。赤梅酢はごはんがほんのりとピンク色に染まります。

暑さが残る時期は麺類もおいしいですが、みょうがをはじめとした香味野菜を活用して旬の混ぜごはんを楽しんでみてはいかがでしょうか。

柏木智帆

お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。

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