柑橘類というとオレンジだったら夏、みかんだったら冬のイメージですが、一部のものは春先に旬を迎えます。 3月においしくなる、いよかん、はっさく、でこぽんについて紹介します。
明治時代に山口県で発見された品種。現在は主に愛媛県で生産されていて、名前も伊予国(愛媛県)からきています。
温州みかんLサイズより大きめ。外皮は通常の温州に比べて厚めですが、手でむくことができます。タネがあり、内皮が厚く、むいて食べます。
産地は愛媛県が9割をしめていますが、そのほか和歌山県、佐賀県、山口県などで育てられています。
いよかんは果汁が多く、甘酸っぱい味が特徴。香りがよい点も好まれます。カンタンにできるゼリーで、ジューシーさを堪能するのはどうでしょうか。親子で皮むきするのも楽しいですよ。
江戸時代に広島県のお寺で発見されたそう。当時の住職が「八朔(陰暦8月1日)に食べられる」といったことが名の由来という説が。ただし、はっさくの旬は3〜4月なので、本来の食べごろとはずれている名前ということになります。
温州みかんLサイズより大きめ。外皮は厚く、手でむくのはなかなか難しいので、包丁などで切れ目を入れて。タネは多めで、内皮も厚いのでむいて食べます。
主な産地は和歌山県。そのほか広島県、愛媛県、徳島県など、西日本で多くが生産されています。
はっさくは実がぷりぷりとして、甘みの中にほのかな苦みがあります。そんな食感と風味をいかした、キャロットラペがおすすめ。さわやかな香りで、にんじん嫌いの子にもぜひ!
でこぽんの歴史は新しく、1970年代にぽんかんと清見をかけあわせてできた品種です。てっぺんに「でこ」と呼ばれるこぶのようなものがあるのが特徴。でこぽんの名前もここからきていますが、じつは登録商標であるため、一般的には不知火(しらぬい)という名前になります。
温州みかんLサイズより少しだけ大きめ。外皮がゴツゴツとして厚いわりに、手でむきやすく、内皮は薄いのでそのまま食べられます。タネはほとんどありません。全国で作られていますが、生産を始めた土地であり、その名の由来にもなっている熊本県不知火地区が産地として有名です。
ジューシーで酸味がまろやか、濃厚な甘みが人気の柑橘類です。そのままでもデザートとして充分ですが、サラダにすれば新鮮なおいしさに出合えます。
どれもビタミンCが豊富で、風邪予防に効果的。またクエン酸が多いので疲労回復にも役立ってくれます。また、これらの果物は日持ちがいいのも共通しています。乾燥を避けて、冷暗所で保管を。暖かいようだったら、ラップなどに包んで冷蔵庫へ入れましょう。
いよかん、はっさく、でこぽんは柑橘類なので、みかんのように木になります。どれも白い花を咲かせるので、素人では種類の判断がつかないかも。この時期においしい柑橘類を、子どもと一緒にスーパーで見比べてみたり食べ比べてみたりするのもおもしろそうです♪(TEXT:松崎祐子)