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コラム

おいしい白菜の選び方は?黒い点々って食べても平気?野菜博士の緒方湊くんが答えます

寒い季節になると野菜売り場で存在感を増していく「白菜」。旬の時期は価格も安定しているので手に入れやすく、鍋やサラダ、煮物などに大活躍ですよね。今回はそんな白菜の選び方についてご紹介。丸ごと買う場合はどこを見ればいいの?カット白菜でも鮮度は落ちないの?など、白菜の選び方に関する疑問を野菜博士の緒方湊くんに聞いてみました。

おいしい白菜を選ぶポイントは?

1個買うときは「重さ」をチェック

最近は消費できないという理由で丸ごと1個買う人は少ないかもしれませんが、もし丸ごと1個買う場合は持ったときにずっしりと重いものを選ぶといいでしょう。新鮮な白菜には水分がしっかりと含まれているため、重いもののほうがみずみずしくておいしいです。また、葉先までかたく巻きがしっかりしているものを選ぶといいですよ。巻きがしっかりしているのは、収穫してからまだ時間が経っていない証拠。時間が経つとだらっとしてくるので、巻きにも注目してみてください。

そして、白菜に限らずキャベツやレタスなどでも同じことがいえますが、お尻の切り口を見ると収穫してから時間が経っているかどうか判断できます。切り口が乾燥していたり、色が変わっているものは鮮度が落ちていることが多いです。

半分にカットされても白菜は成長している!?

半分にカットされた白菜はカットされていないものに比べて鮮度が落ちているのではないかと思っている方も多いですが、実は半分にカットされても白菜は成長を続けているんです。

白菜が成長するときは、外側の葉が光合成をして、花を咲かせるために中心部に栄養が集まってきます。これは収穫後も行われます。そのため、半分にカットしている白菜の断面を見ていただくと、中心部が盛り上がっている白菜が売っていることがあります。

これは外葉の栄養が失われ中心に集まっている証拠。白菜の持っている栄養をどんどん消費しているので、できるだけ半分にカットしている白菜を買うときは、断面が平らなものを買うのがおすすめです。そのほかにもチェックするポイントがあるのでご紹介します。

カットされた白菜を買う時の3つのポイント

1.葉の隙間を見る

葉が隙間なくしっかりと詰まっているものは、冬の寒さに耐え身を守るために糖をたくさん蓄えている可能性が高いので甘いものが多いです。

2.芯の長さを見る

芯の長さを確認します。白菜を畑で収穫せずに放置しておくと、芽が出てきます。芽が出るというのは、いわゆる「とうだち」と言われ、野菜が花を咲かせるための準備になります。長い白菜は、花を咲かせるための芯が伸び、準備に入ったものかも知れません。つまり、葉の栄養を使っている可能性が高い白菜です。同じ位の大きさの白菜の場合、芯は長いものよりも短い方が甘い傾向にあります。ただし、春の白菜は葉がゆったりと巻いていて、芯の長さも冬の白菜に比べると長めになるので注意してください。

3.色を見る

外葉は緑色、内葉は黄色のものがベストです。内葉は時間が経つと、黄色からだんだんと緑色になってきます。

白菜を使う時は中心部から!

白菜を調理に使う時、外葉から順番に使う人が多いと思いますが、それでは中心部が栄養を欲しがり、白菜の栄養を消費してしまうので、中心部から先に食べるのがおすすめです。

また部位によって調理法を変えてみると、白菜のうまみを存分に楽しむことができます。中心は組織が柔らかく甘いのでサラダなどに、外側の葉はかたく苦みもあるので炒め物やクリーム煮などの油を使った料理に、中ほどの葉は甘みと苦味のバランスが良くてシャキシャキしているので鍋ものに合います。内側の葉は、甘みがあるので煮物、蒸し物、甘酢漬けなどが向いています。

白菜の保存方法は?黒い点々ができても大丈夫?

白菜の保存は0〜5度が最適なので、半分にした白菜を乾燥しないようにラップで巻き、野菜室よりも冷蔵室で立てて冷蔵するのがおすすめです。

黒い点々って食べても大丈夫??

「白菜にある黒い斑点が気になり、その部分を削いで捨てていた」という方がいらっしゃるようですが、白菜の黒い斑点は、白菜のポリフェノールが「生理障害」で表面に出てきたものです。黒い点々なので「ゴマ症」と呼ばれています。食べても体に何の害もありません。「ゴマ症」ができる原因は、栄養過多の場合や、気温の変化に白菜がストレスを受けた場合などで起こります。またゴマ症は、必ずしも畑で発生するだけでなく、購入後に冷蔵庫での保管が長くなると現れることもあります。

湊くんのおすすめの白菜の食べ方

白菜を1枚ずつ広げて2〜3時間くらい干すと水分が蒸発して甘みが凝縮し、太陽の紫外線が当たることでアミノ酸が増えるので、甘みと旨みが増します。また、味の染み込みが早くなるので、ぜひお試しください。セミドライな状態でも十分美味しくなります。

天日干し前の白菜

2~3時間天日干し後の白菜

天日干しをした白菜は、どんな料理に使ってもおいしいですが、この白菜と干しシイタケ、鶏団子と春雨を使って作るスープが好きでよく作ります。白菜の栄養はカリウムが多く、むくみ解消に役立ちます。またビタミンCも多いので、美肌効果、免疫力アップに期待ができます。カリウムもビタミンも水溶性なので、スープも一緒にいただける料理が特におすすめです。

白菜は豆腐・大根とともに冬の養生三宝と言われている野菜。お正月の食べ過ぎなどで体が弱るこの時期にもぴったりです。ぜひ積極的に食卓に取り入れてみてください!

画像提供:Adobe Stock

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クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。

緒方湊(おがたみなと)くん

最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。

ウェブサイト:みなとの野菜大辞典

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