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コラム

何も作りたくない日の「神商品」を発見!ほったらかしで絶品料理

テレビや雑誌で活躍中の家電ライター・田中真紀子さんが、今本当におすすめしたい家電を紹介!お料理も大好きという田中さんがリアルな生活者目線&家電のプロならではの視点で素敵な家電を紹介します。

話題のパナソニック「オートクッカー ビストロ NF-AC1000」を試してみました

昨年12月パナソニックから、ある画期的な調理家電のリリースが公開され、業界が騒然となりました。業界初となる「圧力」と「かきまぜ」機能を両立した自動調理鍋「オートクッカー ビストロ」が今年2月に発売されるというものです。実はこれまで、ほったらかし調理できる家電として、「かきまぜ機能」または「圧力機能」を搭載した自動調理鍋はありましたが、それぞれ料理の仕上がりや作れるメニューに違いがあり、どちらかを選んだらどちらかを諦めざるを得ないのが現状だったのです。

しかしパナソニックは、従来難しいとされてきた「かきまぜ」と「圧力」の両立をついに実現!さらに“業界最高”となる1285Wの高火力、“業界最高”クラスの約2気圧の圧力(いずれも発表時点)を搭載し、多彩な工程を必要とする料理もほったらかしでおいしく作れるようになりました。

さっそく筆者もいろいろ作ってみましたが、「こんなに簡単で、こんなにおいしいの?」と驚きと感動の連続!さっそくご紹介したいと思います。

●オートクッカーの使い方は?

オートクッカーは一見すると、ちょっと大きめな炊飯器。基本構造もほぼ同じで、フタを開けると内釜が格納されています。炊飯器と違うのは、中央にかきまぜ用の羽根が装着されているところ。羽根をフタ側ではなく内鍋側に搭載することで、鍋底からしっかりかきまぜ、高火力でも焦げつきを抑えてくれるというわけです。 かきまぜ機能をつけると、可動する場所から圧力が抜けやすく、圧力との両立が難しかったそうですが、ついに実現しました

操作は、フタの天面に搭載されたタッチキーで選ぶほか、Wi-Fiと連携すればスマートフォンのアプリからメニューを探したり、下ごしらえの手順を確認したりできるのでおすすめ。本体内蔵の自動メニューは25種類ですが、アプリには100種類以上が搭載され、メニューは随時増えていきます。一方手動メニューでは、「圧力調理」「煮込み」「無水調理」「炒め」「低温調理」「圧力蒸し」「蒸し」「煮詰め」「加熱」「保温」から選べるので、いつも作っている料理もオートクッカーにお任せする、という使い方もあり!

●ビーフシチューの牛すね肉がとろっとろに!

みなさんが気になるのは、やはりおいしさだと思いますので、さっそく作ってみました。まずは煮込み料理の代表格、ビーフシチューから。ポイントは、牛すね肉が硬くならずにおいしく煮込めるかどうかです。自動メニューに搭載されていますので、アプリからメニューを探し、作りたい人数を選ぶと材料と分量、下ごしらえの手順が表示されました。もちろん本体からの操作も可能で、材料や分量はレシピ集でチェックします。 アプリ上ではこのように表示されます。下ごしらえが終わったら、最後に「オートクッカーへ送信」すると、情報が本体に転送されます

材料の準備ができたら、ビーフシチューのルウ以外を羽根をセットした内鍋にイン!そして、アプリ上の「オートクッカーへ送信」を選ぶと、情報が本体に送信されるので、最後は本体の「スタート」ボタンを押すだけ。 切った野菜や肉を内鍋にごろっと投入しました

調理時間は「約1時間41分」と表示。実際は残り30分で一度お知らせがあり、ここでルウを入れます

あとはほったらかしで、圧力をかけたり混ぜたりしながら煮込み続けます。1時間10分ほど煮込んだ後、いったんフタを開けてルウを入れ、さらに30分ほど加熱した結果、とろりとツヤのあるビーフシチューが完成しました。

肉も野菜もしっかり煮込まれて、見るからにおいしそう

まるでお店で出てくるビーフシチューのようです

食べてみましたが、牛すね肉がとろっとろに柔らかい!スプーンの端で、力を入れなくてもスッと切れ、口の中で文字通り溶けてしまいそうです。自分でここまで柔らかく作るためには、もっと時間をかけないといけないかもしれませんが、ほったらかしで実現したのは、高火力、圧力、かき混ぜのおかげ。お客様のおもてなしにも自信を持って出せるレベルです。

自動調理の煮物メニューではほかにも、豚の角煮やスペアリブの煮込み、いわしのしょうが煮、筑前煮やおでんなどが用意されています。

●パラパラ炒飯、あめ色玉ねぎもほったらかしで絶品!

高火力で混ぜるので炒め物が得意なのも、オートクッカーならではの特徴。自動メニューにも、回鍋肉や青椒肉絲などの中華料理が並ぶ中、気になったのが炒飯です。炒飯は高火力でサッと炒めないと、べちゃっとした仕上がりになってしまい、自宅でパラパラ炒飯を作るのは意外と難しいですよね。

でもオートクッカーなら作れちゃうんです。それもたった10分で!作り方は、あらかじめ温かいごはんに卵や調味料を混ぜ、焼豚、青ネギと一緒に内鍋に入れるだけ。 ごはんにあらかじめ卵を混ぜておく、いわゆる“裏技”を活用します

10分後、まるで鍋を振るったかのようにパラパラな炒飯ができています

うんま〜!自分で作るより断然おいしい!思わず遊びにきた友人に出しちゃいました

大袈裟でなくお店のようなパラパラ加減!おいしさも文句なしです。これなら疲れて帰ってきたとき、時間がないときに、サッと作って食べられますね。

さらに「これが作れるから、オートクッカーが欲しい!」と言わしめるほど注目の自動メニューがあります。それが「あめ色玉ねぎ」。あめ色玉ねぎは、ハンバーグやカレーなどに加えると料理のコクをアップしてくれますが、作るのは結構面倒。フライパンで焦がさないよう混ぜながら、弱火で長時間炒め続けなければいけません。でもオートクッカーなら、これがほったらかしで作れちゃうんです。さっそく玉ねぎ4個で作ってみました。

薄切りした玉ねぎを内鍋に入れると、けっこうなカサに

1時間10分後、こんなに量が少なくなり、きれいなあめ色が完成しました

このあめ色玉ねぎを使い、ハンバーグとオニオングラタンスープを作りましたが、まさに絶品!家族からも「お店の料理みたいに豪華で美味しいね」と大好評!やはり手間暇かけて作ると美味しさも違うんですね(もちろん私はかけていませんが)。これもおもてなしメニューの候補に!

あめ色玉ねぎから出るおいしさがそのまま味わえるオニオングラタンスープ。一部の玉ねぎはハンバーグにも混ぜ込んでいます

ちなみにあめ色玉ねぎを作ったときに鍋底が焦げ付いてしまったので、少し心配でしたが、フッ素加工のおかげでするんと落とせたので安心しました。

●連続調理できるから、作り置きにも取り入れたい

調理家電の自動メニューは、内部の温度が高くなると温度コントロールが難しくなり、一定温度まで冷めないと次の調理ができない場合もありますが、オートクッカーは大丈夫。安定的に作れるプログラムにしてあるため、1つ作ったら、すぐに次、といった連続調理が可能です。

そんなわけで、休日に副菜を作り置きしちゃうという作り方もあり。さっそくとある休日に作った3品をご紹介します。

まずはきのこを大量に切って内鍋に入れ、「きのこのつくだ煮」を作ります。調理時間は25分なので、その間に次の「ひじきの煮物」の下ごしらえを。ひじきを戻し、ニンジンや油揚げを切っておきます。

ひじきの材料を入れたところ。大豆がなかったので冷凍枝豆で代用しました(これは完成後に入れたほうがよかった)

「きのこのつくだ煮」が完成したら、鍋を少し冷ましてから洗い、今度は「ひじきの煮物」の材料を投入、調理スタート。こちらも調理時間は約25分です。この待ち時間に、「きんぴらごぼう」を作るためのゴボウとニンジンを千切りしておきました。

こうして1時間30分の間に、3品を完成!もちろん下ごしらえして余った時間はほかのこともできるので、とても効率的です(しかもおいしい!)。忙しい平日の調理時間が短縮できますし、お弁当のおかず用に小分けしておいてもいいですね。 休日に作り置き作りで疲れるのも本末転倒なので、家電に任せられることは任せちゃいましょ

今までご紹介したのは、自動メニューばかりですが、手動メニューを使えば、さらに料理の幅も広がります。材料や調理時間を変えてみたり、長時間の煮込み料理をオートクッカーに任せたり、我が家の味を再現してみるのも楽しいですよ。

ちなみに日常的なお手入れは、内釜と羽根、内フタを洗うだけ。前述のように内鍋はフッ素加工されているので、こびりつきもするんと落とせますし、羽根も外せるのでサッと洗えます。しいていえば、内蓋のパーツを2箇所、外して洗う必要があるので、それが少し面倒なのと、なくさないように注意したいところでしょうか。 内蓋の2つのパーツを外したら、なくさないようにしましょう

●自動調理鍋を買うか悩んでいた人にもおすすめしたい!

私はもう2カ月近く使っていますが、一言で言うと、とにかく完成度が高い!さすが「高火力」「高圧力」「かきまぜ」機能を備えた“業界初”製品だけあって、どんな料理を作っても、おいしく上手に仕上がります。ただ値段が高く、本体も大きいので、手放しでおすすめするのは躊躇われますが、時間とおいしさを買うと思えば、あるいは外食したり惣菜を買ってくる頻度が下がると思えば、実は高くないのかも?そう考えたくなるほどおすすめ。気になる方はレンタルで試してみるのもいいかもしれません。

画像提供:adobe stock

田中真紀子

家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、リアルな使用感や取り入れ方を発信している。自宅には常時200以上、キッチン家電だけでも60以上を所有し、日々使いこなしを研究中。メディアやメーカーからの取材や監修、テレビ・ラジオ出演など、専門家としての依頼も多数。

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