【食材の効果的な食べ方 Vol.26】管理栄養士おすすめ食材の栄養素を、効果的に摂取する方法をご紹介。「栄養価」を高めるひと工夫とは? また、栄養素を損なわないようにする調理法は? 旬食材の栄養素を効果的に、おいしく食べられるコツをお届けします。
夏に旬を迎える「なす」。原産地はインドであり、奈良時代に中国経由で日本へ渡来したといわれており、とても古くから親しまれている野菜のひとつです。そんな「なす」ですが、全体の90%以上が水分。その他の栄養素は食物繊維、カリウムなどが含まれています。なすはなんといっても「皮」に素晴らしい栄養素が含まれているので、皮をむかずに食べるのがおすすめです。
なすの皮には、色素成分であるナスニンが豊富に含まれています。ナスニンはポリフェノールの一種であり、抗酸化作用が強いのが特長です。動脈硬化やがんなどの生活習慣病の予防に効果的です。なすはあく抜きのために水にさらすことが多いですが、ナスニンは水溶性の性質があるので、なるべく短時間で済ませるなど流出しないように注意したいところ。油でいためたり、煮込む調理の場はあく抜き不要なので、調理する直前に切るのがいいですね。
なすの鮮度は見た目でもわかりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
・ヘタの切り口がみずみずしくトゲがあるもの
・ハリ、ツヤがあり色が濃いもの
こちらを選ぶのがおすすめです。ヘタの切り口がみずみずしいことや、ヘタのトゲが痛いくらいしっかりしているものは新鮮な証拠。また、ヘタのすぐ下の部分が細いものは若いうちに収穫された場合が多く、ヘタのすぐ下の部分までしっかりと太いものを選ぶのもおすすめです。
なすは低温に弱いので、なるべく冷暗所などに常温で保存します。日持ちさせたい場合は、ビニール袋に入れたなすを新聞紙で包み、野菜室に保管しましょう。
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管理栄養士、食学士、野菜ソムリエ。 大手企業の社員食堂栄養士、有名クッキングスクールの講師、食学士としてセミナー講師などを経験。現在は自身の子育てをメインに、管理栄養士の資格を活かして、食事と健康・美容の大切な繋がりや、子どもへの食育の大切さを多くの方に知っていただけるよう活動中。