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初夏から夏の時期に!気をつけたいお弁当作りの衛生ポイント 〜vol.1基本編〜

クックパッドニュース編集部

日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部

『食中毒』——。よく耳にはするけれど、報道されるのは集団給食や飲食店が多いため、家庭で作る料理とは無関係と思っていませんか?実は家庭で作った料理による食中毒は意外と多いのです。特に作ってから食べるまでの時間の長い『お弁当』はこれからの季節、油断大敵です!

自分や家族のためにお弁当を作る人は多いと思いますが、これからの季節気をつけなければいけないのが、食中毒。お弁当は作りたてをすぐにその場で食べる料理とは異なり、調理から食べるまで時間が空くため、気をつけなくてはいけない点が多々あります。そこでお弁当の衛生対策のポイントをクックパッド管理栄養士にわかりやすく解説してもらいました!

この時期増える食中毒とその理由とは?

食中毒とは、有害な微生物や化学物質を含む飲食物を食べた結果生じる健康被害のこと。主に嘔吐、下痢、血便、発熱などの症状を引き起こします。体調が優れない人、子供、高齢者など免疫力の弱い人は重症化することもあり、特に注意が必要です。 食中毒を起こす原因菌で代表的なものはブドウ球菌腸炎ビブリオサルモネラ菌カンピロバクター病原性大腸菌 の5つ。中でも日本で最も多く発生しているのが、カンピロバクター。加熱の十分されていない肉類からの感染が多く報告されています。お弁当に入れる際にはしっかり加熱を。また、近年発生件数の増えているサルモネラ菌は卵からの感染が多く、お弁当に入れる卵焼きやゆで卵は新鮮な卵を使ってしっかりと加熱をするようにしましょう。多くの細菌は温度10℃〜60℃で増殖し、温度36℃、湿度60%以上の環境で最も活発に発育します。つまり、生暖かくジメジメ湿気ている環境が大好き。 日中の気温が25℃を越え湿度も上がってくる5月〜9月は、特に食中毒に注意が必要です。食中毒は一年中発生しますが、全体の70%はこの時期に発生しています。食中毒の最も多いこの時期ならではのお弁当の気をつけるポイントをまとめてみましょう。

お弁当の食中毒対策は『付けない』『殺す』『増やさない』が3大鉄則!

1) 菌を付けない!

まず大事なことは、食材を購入してから調理、盛りつけの間に食中毒の原因になる菌を食材に付けないことなのです。

なるべく新鮮な食材を選ぶ

特に生肉、生魚など常温で放置すると菌が増殖します。新しいものを選んで、買い物の際にも保冷剤や保冷バッグを活用しましょう。

調理前、調理中はこまめに手を洗い、拭く

殺菌の効果のある石けんを使って手のひら、甲、指の間、爪の間(爪の長い人はブラシを利用する)、手首まで洗い水気を拭きましょう。濡れたままにしておくとまた菌が増殖する原因になります。

調理用具は清潔に保ち、できれば、まな板は『肉』『魚』『野菜』と分ける

薄くて場所をとらないなまな板シートなども売られているので、肉、魚、野菜用の分別を。まな板も包丁も切ったらそのつど洗って拭きましょう。

お弁当箱やおかずケースなどしっかり洗浄し、乾かす

お弁当箱を洗ってよく乾かし、お弁当を詰める前には内側をキッチン用除菌スプレーや殺菌、防腐効果のある酢をペーパータオルに浸して拭くと効果的です。

素手や直箸で触れた料理を入れるのはNG!

手には見えない菌がいっぱい。口をつけた箸で触った料理にも菌が。お弁当に入れようと思った場合は、手や箸をつける前にきれいな箸で取り分けて。また、加熱した後の食材を包丁で切るなども実はNG。お肉やお魚は食べやすい大きさに切り分けてから加熱をしましょう。

2) 菌を殺す!!

75℃以上の加熱を1分以上すると、ほとんどの菌は不活化します。

とにかくしっかり加熱!

温度計で中心温度を計るのはちょっと大変なので、いつもよりしっかり長めに焼く、煮る、揚げる、炒める、茹でる様に心がけましょう。また、残ったおかずを入れる際には必ずレンジなどでしっかり再加熱をしましょう。

3) 菌を増やさない!!!

作った後の保存も重要なポイントです。 

完全に冷ましてから蓋を。

熱いうちに蓋をしてしまうと蓋の内側に水蒸気が付き、それが菌の増殖の原因に。必ずしっかり冷ましてから蓋をしましょう。

冷蔵庫、保冷剤、保冷バッグ、クーラーボックスなどを利用する。

冷蔵庫に保管する、保冷剤をつけて保冷バックやクーラーボックスを利用するなど食べるまでの時間も気をつけて。

このように、暑い季節のお弁当には普段の料理以上に注意が必要です。作り手だけではなく、お弁当を持っていく人の注意も必要なので、お弁当を手渡す際に一言「涼しいところにおいて、なるべく早く食べてね」と言って手渡ししてくださいね。

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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