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コラム

“梅雨ダル”を招く原因とは?食生活の乱れにご注意を【体の内側からキレイを目指す!美腸ライフVol.6】

食と健康のエキスパート・管理栄養士の藤橋ひとみさんが「腸活」に関する豆知識をお届けする連載。「腸」は美容・健康の鍵を握る臓器。様々な心身のトラブルの解消のために日々の食生活の中で継続して実践できるメンテナンス術を分かりやすくご紹介していきます。

近年、このシーズンになるとTVや雑誌などで見かけることが増えた “梅雨ダル”という新しいワード、皆さんは耳にしたことはありますか? ダルさ、疲労感、肩こり、頭痛、気分の落ち込みなど、6〜7月の梅雨の時期に起こる様々な心身の不調を総じて“梅雨ダル”と呼んでいるようです。

そもそも “梅雨ダル”ってなぜ起こるの?

梅雨の時期に起こる不調には、様々な要因が関わっていると考えられています。現段階では原因についてまだはっきりと言及することはできませんが、気圧や気温、湿度といった環境の変化によるストレスによって起こる、自律神経失調症が原因の1つとして考えられています。

私たちの体をコントロールしている自律神経は、交感神経と副交感神経という逆の働きをする2つの神経系があり、この2つがバランスを取りながら働くことで、健康を守っています。自律神経は、外部からのストレスに影響を受けやすく、バランスが乱れると、様々な心身の不調が起こることが明らかになっています。(出典1参照)

様々なストレスから身を守る“縁の下の力持ち”がいる!?

私たちの体の中では、外部の環境や内部の変化に晒されても必要な生理的機能を保つために、“自律神経系”の他にも、外敵から身を守る“免疫系”やホルモンの分泌などを調整する“内分泌系”が密接に関わりあいながら働いています。

実は、この連載のテーマになっている腸は、この「自律神経系・免疫系・内分泌系」の3つの要素全てに関わっている臓器なのです。“梅雨ダル”の症状と腸内環境の関連を直接調べた研究報告はまだ出ていませんが、それぞれが正常に機能できるよう、常日頃から腸内環境を整えておくことが“梅雨ダル”の対策にもつながるかもしれませんね。(出典2参照)

“梅雨ダル”による食生活の乱れに要注意!

体がダルく、食事を作る気力が出ない時や食欲がわかない時は、食生活が乱れてしまいがち。それにより栄養バランスが崩れてしまったり、腸内環境が乱れてしまうと、より一層不調を悪化させてしまう可能性があります。特に日本人が日頃からしっかりと意識をして食事を選ばないと不足しがちなのが、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素。外食やコンビニで済ませる際も、野菜やフルーツ、海藻類、豆類が摂れるメニューを選ぶ、丼ものや麺類といった一品料理の場合は、サラダや冷奴などのおかずを追加するなどの工夫をするようにしましょう。(出典3、4参照)

日々の備えで、梅雨シーズンも元気に乗り切ろう!

環境の変化によるストレスに晒されやすいこの時期だからこそ、より一層、食事・睡眠・運動といった生活習慣の乱れに気をつけて、規則正しい生活を送ることが大切です。不調を感じた時こそ、栄養不足や腸内環境の乱れを招かないよう口にするものにも意識をしてみてくださいね。

管理栄養士 藤橋ひとみ(ふじはし・ひとみ)

I’s Food & Health LABO.代表。フリーランス管理栄養士として、商品開発やレシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。同時に、東京大学大学院にて医学博士取得を目指し、栄養疫学の研究に取り組んでいる。大のお豆腐好きが高じて、豆腐マイスターの認定座学講師として、国内外で日本の豆腐の魅力を伝える活動をしているなかで、その原料である大豆自体への興味が深まり、大豆関連の資格の制覇を目指し、学びを深めている。
近年は特に、豆腐を作る際に同時にできる「おから」に注目し、日本人に必要な食物繊維の宝庫でもある「おから」を、有効活用できる方法を広げる活動に注力している。著書に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」がある。

●所有資格
管理栄養士、調理師、製菓衛生師、豆腐マイスター、食育豆腐インストラクター、豆乳マイスタープロ、おから味噌インストラクター、ソイオイルマイスター、おから再活プロデューサー、インナービューティープランナー、ほか

【ホームページ】https://is-food-health-labo.com/
【ブログ】https://ameblo.jp/hitomi880807

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