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コラム

江戸時代の人も"胡椒で味変"してた!?ほっこり旨い「鳥団子汁」を作ってみた

【ほっこり江戸ごはんvol.14】江戸好きが高じて、地毛で「ちょんまげ」まで結ってしまった江戸マニアの伊尾木将之さんに、江戸時代のレシピとともにほっこりエピソードを教えてもらいます。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。 江戸時代が大好きで江戸の食文化を研究している伊尾木と言います。

僕の年長さんの子どもがどうにも出不精というか、面倒くさがりというか、とにかく外出を嫌がります。 特に髪を切りにいくのも結構嫌がりますし、短く切られることも嫌がります。我が家では子供の髪切りはちょっとしたイベントです。 これは江戸時代も同様だったようで、子供の髪を整えるのにお菓子でご機嫌を取ったという話が残っています。いつの世も親は大変ですね。。。

さて、そんな個人的な話はおいておいて、今回紹介するのは「鳥団子汁」という鶏肉料理です。

作り方

鶏の肉団子とごぼうを合わせた汁物です。まずは肉団子から作っていきます。

鶏ひき肉に塩、上新粉、葛粉、卵白を加えてよく混ぜます。

そして、それをお団子にします。

ごぼうは皮をとってささがきにし、水につけてアクを取りましょう。

沸騰したお湯に塩と酒をいれて、肉団子を煮ます。 次に、ごぼうも加えて火を通します。

醤油で味を整えたら、お椀によそって、最後に胡椒をふりかけたら完成です!

江戸のほっこり話

江戸時代に胡椒を使っていたというと驚かれることがあります。確かに西洋の肉料理の臭み消しのイメージが強いので、胡椒は西洋料理のイメージがあるのかもしれませんね。

実は江戸時代は香辛料を使った料理が多く登場します。胡椒は頻繁に利用されますし(七味唐辛子が普及する前は、うどんの薬味といえば胡椒でしたし、胡椒飯という料理もあったりします)胡椒だけでなく、シナモンを使った料理なんかも登場します。七味唐辛子が登場・普及したのも江戸時代です。

なぜ香辛料を使った料理が多いかと言うと、これは私見なんですが、料理の味に飽きていたからではないかなっと思っています。 僕自身、江戸時代のご飯しか食べなくなって一年経ちますが、基本的に味付けは出汁ベース、醤油ベースばかりになります。普段はそこまで飽きを感じることは無いんですが、たまに「ああ、同じ味ばっかりやなぁ」と思うことがあります。そんなときに、胡椒とか七味唐辛子などで味を変えていくのですが、おそらく当時の人も似たような心境だったのかなっと思っています。 時代が変わっても人間やることはあまり変わりませんね。

伊尾木将之

大阪出身のうさぎ好き。修士までは物理を学び、博士課程で情報系に進むも撃沈。現在はクックパッドでエンジニアをしながら、食文化を研究している。
日本家政学会 食文化研究部会の役員を務める。
2020年秋から社会人大学生(文学部)に。
本業は川崎フロンターレのサポーター。

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