野菜をダシに「浸す(ひたす)」だけで、かんたんに味つけが出来てしまう「おひたし」。ダシをたっぷり吸った野菜は、それだけで甘みが増し、一晩おくと、味がなじんで、おいしく仕上がります。常に淡白で、あっさりと、しかも、素材の持ち味と、ダシのうま味が調和した、口も心も喜ぶ、毎日の献立にあるとうれしい小さなおかず。盛り付けも楽しく、おひたし名人になりたいものです。
おいしいおひたしをつくるために、ていねいにダシをこしらえましょう。
水…600cc
かつおぶし…ひとつかみ分
1.水を鍋に入れて中火で沸かします。
2.沸騰したところに、かつおぶしを入れ、50〜60秒ほどそのまま沸かします。
3.かつおぶしが鍋の下に沈むまで待ち、沈んだところで火を止め、ザルで漉します。ザルに残ったかつおぶしは、菜箸などで一箇所に集め、ぎゅっとしぼるとよいでしょう。
◎ダシは、とったその日がおいしいものです。みそ汁や、炊き込みご飯などに活かして、なるべくその日中に使いきるようにしましょう。
かつおダシ…50cc
小松菜…1束
油揚げ…1枚
塩…少々
しょう油…小サジ2杯
みりん…小サジ1杯
1.大きめの鍋に水を張り、水に対して2%ほどの塩(水1リットルに対して大サジ1杯ほど)を加え、沸騰させます。小松菜の葉の部分を持ち、硬い根本部分からゆでます。冷水にとって、粗熱を取り、水気をしぼったら、食べやすい大きさに切ります。
2.油揚げは、熱湯で油抜きをして、細切りします。フライパンに油をひかずに、少し焦げ目がつくくらいまで焼きつけます。
3.かつおダシにしょう油とみりんを加え、あたためます。
4.油揚げを、熱いまま3に加え、そのまま小松菜を加えます。全体がなじむようにざっと混ぜたら、粗熱が取れるまで、5分おきに底から混ぜて出来上がりです。
かつおダシ…大サジ2・1/2杯
ズッキーニ…1/2本
しょうが(すりおろし)…少々
しょう油…大サジ1/2杯
みりん…大サジ1/2杯
きび砂糖…少々
1.ズッキーニは、タテ半分に切り、端からうす切りします。湯を沸かし、60秒ほどサッとゆでます。ザルにあげたら、キッチンペーパーなどでかるく押さえて水気を切ります。
2.かつおダシ大さじ2・1/2杯、しょう油、みりん、きび砂糖を合わせて、少し温めておきます。
3.2にしょうがを加え、ズッキーニを加えて冷まして出来上がりです。
かつおダシ…適量
ピーマン…4〜5コ
なす…2本
しょうが(すりおろし)…少々
うす口しょう油…小サジ1杯
しょう油…大サジ1杯
みりん…大サジ1杯
きび砂糖…ひとつまみ
炒りごま…適量
1.ピーマンはタテ半分に切り、ヘタ、種、白いワタの部分を手で取り除きます。さらにタテ半分に切り、それを2〜3等分に、食べやすい大きさに切ります。
2.かつおダシ50ccを煮立てた鍋にピーマンを入れて、アルミホイルなどを落としブタにして、弱火で5分ほど煮ます。その後、うす口しょう油を入れて、さらに弱火で5分ほど煮ます。
3.なすは、網でよく焼きます。皮が黒く焦げて実がやわらかくなったら、ラップで包み粗熱を取ります。冷めたら皮をむき、食べやすい大きさに割きます。
4.かつおダシ大サジ5杯、しょう油、みりん、きび砂糖を合わせて、少し温めます。
5.4にしょうがを加え、ピーマンと焼きなすを合わせて冷まします。
6.炒りごまを和えて出来上がりです。
文:田中真唯子 写真: 元家健吾
食事のときに小鉢がたくさんあると、嬉しくて、心もからだも満たされるものです。しみじみとしたおいしさを、ぜひお楽しみください。
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