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コラム

必要なのは感覚!?クッカーでおいしい「ご飯」を炊いてみよう【ヒロシの外ごはん Vol.3】

1人でキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”の様子をYouTubeに投稿し、再び話題を集めている芸人のヒロシさん。野外で楽しむプロのヒロシさんに、気軽に実践できる料理のアイデアや、簡単なレシピをお聞きしました。最後には、ヒロシさんのお話を参考に編集部スタッフがごはんを作ってみた様子もお届けします。

キャンプの炊飯には「クッカー」を使うのがおすすめ

ーー前回、「キャンプでパンを焼きたい」とおっしゃってましたが、実践されてましたね! YouTubeの動画を見ましたよ。

そうですね、うまくもまずくもないパンができました。何回か作ってみてはいるんですけど、もっと簡単に焼く方法を探し続けたいと思います。

ーーヒロシさん流のキャンプパン、どんな風に進化していくのか楽しみです。ご飯を炊くのは得意だとお話ししていたので、今回はご飯の炊き方を教えてほしいです!必要な道具は、やはり飯盒ですか?

キャンプと言ったら飯盒のイメージがあるかもしれないですね。安価で新品でも1000円くらいで買えますし。ただサイズが大きくて、一度に4合くらい炊けたりするものが多いので、僕は使ってないんです。ひとり分炊ければ十分ですから。

ご飯を炊くのは初めての人にとっては難しいと思うし、最初はだいたい失敗します。飯盒は高さがあるものが多いから、失敗したとき底の焦げがすごく洗いづらいんですよ。

だから僕はクッカーを使っていますし、初心者の人にもクッカーがおすすめです。あと必要なのは、火力を調整できるガスバーナーですね。ご家庭によくあるカセットコンロでももちろん大丈夫です。

ーー使いやすいクッカーを選ぶポイントはありますか?

アルミかステンレスの素材のものを選ぶといいです。ほかにはチタン素材のクッカーもあるんですけど、チタンは熱伝導がよくないので熱がクッカー全体に渡らないんです。だからチタンは米を炊くのには向いていないですね。 反対にアルミとステンレスは熱伝導がいいので、どちらかの素材のものがおすすめです。

さっきも言ったように最初は失敗するだろうから、洗うことを考えて、高さがあまりない広口タイプのものがいいと思います。僕はとにかく洗いやすさを重視していたので、あまり縦長じゃないものを、と思って最初のころは選んでました。

ーー確かに、底の焦げを洗い落とすのは大変ですよね。ヒロシさんはどんなクッカーを使ってるんでしょうか。

実は、最近ずっと使っていたクッカーが壊れちゃったんですよね……。
僕の理想のクッカーは、素材がアルミで、小さいサイズと大きいサイズがセットになってて、それぞれにフタが付いているもの。こういうタイプのものが意外となくて、小さいフタがないものがほとんどなんですよ。
小さいほうでご飯を炊いて、大きい方でお湯を沸かしたり冬だったら鍋物をやったりするから、この形がベストなんです。8個くらいかな、買って試してみて、今はその条件をクリアしたものを使ってます。

さっき飯盒は使わないって言いましたが、実は狙ってるものがあります。友達が買っていた「戦闘飯盒2型」という飯盒で、すごくかっこいいんですよ! これだと普通の飯盒より背が低いし、色や留め具が使い込んでいくと渋くなって良さそうだなと思って。

ただこれが手に入りにくいんですよね。色々見ているんですけど、なかなか買えなくて。その友達に譲ってくれって言ったけど断られたので……自力で頑張ります。

コツ満載!ヒロシ流のご飯の炊き方

ーークッカーの選び方もお聞きできたので、ヒロシさんが普段やっているご飯の炊き方を教えて下さい!

基本僕は焚き火でやってるんで、バーナーだとちょっと説明が難しいところもありますが……。

最初に、クッカーに食べたい量の米を入れます。僕は量らないで、炊けたらだいたいこれくらいの量になるかなって想像して入れてます。キャンプでは研ぐのは面倒なので無洗米を使っていますが、家でやるならどちらでもいいと思います。

米を入れたらそのあとに水ですね。小学生のときからずっと、人差し指の第一関節くらいまでの量を目安に、と言われていました。ただ、これって人によって長さが違うよなってずっと疑問に思っているんですけど。でもこの教えを今でも守っています。

僕はたぶん人より手が大きい方だと思うので、自分の手が小さいという方は調整してもいいかもしれないですね。どちらかというと、少し多いくらいなら全然問題ないと思います。水は少なめよりも、多めの方が成功しやすいです。

そしてそのあとに必ず浸水させます。これが重要で、やらないと失敗します。すぐ火にかけたくなるけど、10分〜15分くらい放っておきましょう。ひとりでやるときは絶対忘れないんですけど、ロケでやるとつい忘れがちになるんですよね……。

浸水させたらいよいよ火にかけますが、最初は高温にするのがポイントです。強めの中火くらい

ーーー強めの中火ですね。何分くらい加熱するんでしょうか?

時間で判断するんじゃなくて、見て判断してるから、時間はわからないんです。
火にかけてると、だんだん水が沸騰してきて吹きこぼれてきます。その時フタが取れそうになったら、上に石など重しを乗せてください。しばらくすると吹きこぼれが止まるので、そうなったら弱火にします。

このときのコツはちょくちょくフタを開けて残ってる水分の量を確認すること

昔の言葉で、赤子泣いてもフタ取るな、という言葉があるんですよ。フタ開けたらおいしくなくなるよ、ってことなんですが、これを守っていて何度やっても失敗していました。それで、この言葉を無視してフタを開けて確認するようにしたら、うまくいくようになったんです。

だからもう、泡が出始めたら消えるまでしょっちゅうフタを開けてますね。水分がなくなりそうになったら、すぐに弱火にしてください。水分がなくなってから弱火にすると焦げちゃいます。ツヤとは違う、べちょっとしてるくらいの米の湿り具合がベストのタイミングです。ここの見極めがとても重要です。

弱火にしてからは、30秒くらいで火からすぐ下ろします。自分が食べたいと思う米のビジュアルの一歩手前になったら、ですね。ここも時間というよりも、見て判断のほうがいいかもしれません。
このあと蒸らすので、ここで完成形というよりはその直前で下ろすというイメージです。

火から下ろしたら、スプーンかなにかで全体を混ぜるといいですよ。やらなくても成功しますが、もっとおいしく仕上がります。

そうしたらまたフタをして蒸らすんですが、浸水と同じくらい蒸らしも大切です。浸水が下準備なら、蒸らしは仕上げのようなものです。浸水と同じくらいの時間、10分〜15分蒸らしたら完成です。

中火から弱火に変えるところや、火から下ろすところのタイミングは感覚頼りなところがあるので、最初は結構難しいと思います。

ーーー確かに難しそうですね。うまく出来るか自信がなくなってきました……。

そう、米炊きって難しいんですよ。正直言って、最初からうまくいくと思うなよ! と思っています。でも僕の言ったとおりに何回かやってれば、そのうちうまくできるようになりますから。

炊飯は災害時にも役立つと思うし、覚えていて損はないと思います。日本人にとって、おいしいご飯が長期間食べられないのってつらいと思うんですよね。

少し前までは仕事でよく海外に行っていたんですが、2週間くらいお米が食べられなくて、毎日芋とかだと本当につらいんです……。だからバーナーやカセットコンロで炊ける技術があったら心強いですよね。

ーーーご飯がしばらく食べられないのはつらいですね……!教えていただいたやり方で、炊飯スキルを身に着けたいと思います!

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