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コラム

冷蔵庫の野菜は全部カレーに!料理家ユニット『ぐっち夫婦』おすすめの“食材使いきり”術を大公開

恵方巻の廃棄のニュース等でたびたび話題になる「食品ロス」。企業の問題かと思いきや、実は家庭からでる量が全体の46%と言われています。そこで今回は、「どうすれば楽しみながら食材をムダにすることなく料理ができるのか」をInstagramのフォロワーは約60万人(2020年9月9日現在)の料理家ユニット・『ぐっち夫婦』に聞いてみました! いつもは捨てがちな食材の皮なども上手に活用できるアイデアレシピをご紹介します♪

ぐっち夫妻のおすすめ“食材使いきりレシピ”

Tatsuyaさん:僕たちは料理家という職業柄、一般家庭よりも“食品ロス”が出やすい環境にあるため、食材をムダにしないためにどうしたらよいのかを日頃から考えるようになりました。書籍や雑誌の撮影のときに食材が使いきれずに余ってしまったときは、それらをスムージーにしたり、それこそ僕たちの代名詞にもなっている「切りおき」をしたり。キャベツや大根、きのこなど、残った材料を切ってポリ袋で保存しておけば、料理にすぐ使えますし、調理の時間短縮にもなります。食材をムダにすることなく使いきれますよ。

SHINOさん:そのほかにも、余った食材は皮ごとすりおろして「カレー」に入れたりしています。

Tatsuyaさん:皮にも栄養があるからね。パプリカやにんじん、セロリなどは大人味になっておいしいですよ。カレーと相性がいいんです。これらの野菜はみじん切りにして混ぜ込んでもいいし、とろとろになるくらいまで煮込んでもいいし、野菜をたっぷり入れたら、ルーは少なめにするのがおすすめです。冷蔵庫に早めに使いきっておきたい野菜があったらカレーに使ってみてください。皮を使うために新しい料理に挑戦するよりも、カレーなら失敗がないのでトライしやすいですよ。

葉物野菜の切りおき

「大根の皮」も余すことなくいただける!

SHINOさん:カレー以外にも、私は「ショウガの皮」は捨てずにご飯と一緒に炊いています。皮のザラザラ感もないですし、風味がよくなっておいしいですよ。あと、これからの季節は「大根の皮」を使った料理もおすすめです。大根の皮って厚めに剥く方が多くて、捨てがちだと思うのですが、繊維を断つように千切りにして、濃いめに味付けをすればおいしい「きんぴら」になるので、大根の皮も捨てずに使ってほしいですね。

Tatsuyaさん:特に野菜ってお肉と比べると “食品ロス”になりやすい食材だと思うんですよ。ピーマンの種も捨てがちですが、ちゃんと火を通すとあまり苦味も気にならずに食べられるのでぜひ食べてみてください。

「買い物」は◯◯を使わないことが買いすぎを防ぐ

Tatsuyaさん:いつも食材を余らせてムダにしてしまうという人は、食材を買わないようにするというのもひとつの方法だと思います。スーパーに買い物に行くと、つい、あれもこれも買いたくなってしまうけど、大量買いをすると結局使いきれなかったりしますからね。

僕の場合、買いすぎ防止のためにあえてカートを使わないようにしています。カゴに物を入れていくとだんだん重くなるじゃないですか? 重さを感じたら「買いすぎ」の証拠。買いすぎを防ぐことで食品ロスも減らせますし、結果的に食費も抑えることに繋がる可能性もあります。

SHINOさん:確かに、玉ねぎを大袋で買うと意外と使いきれなかったりするので、買いすぎないことでロスは減らせるかもしれません。買い物をせずに今あるもので、いかにおいしいものを作るかっていうのを考えるのも楽しいですよ。

「缶詰」は余り食材の救世主

Tatsuyaさん:そういう意味では、賞味期限が長い缶詰や乾物はストックしておくと便利だよね。僕たちもツナ缶などの缶詰はよく買っています。さば缶や大豆缶など種類もたくさんありますし、余り野菜を使い切りたいときも助けられています。

SHINOさん:それこそ、千切りにした大根やにんじんの皮をかつおぶしと和えてもいいですし、大根の葉っぱや長ネギの青い部分を炒めて刻んで、ごま油とツナ缶、いりごまで混ぜるだけの簡単なふりかけにしてもおいしいです。乾物や缶詰などは、旨み成分を含んだものが多いので、ふだん捨ててしまいがちな食材を使いきるのに便利だと思います。

Tatsuyaさん:和えるだけですぐ作れるし、お弁当のおかずにもいいよね。

「玉ねぎの皮」はトッピングに?!

SHINOさん: “食品ロス“が出やすい環境の私たちですが、食材を使いきるためにこうした工夫をしてきました。そんな時に、余りがちな食材の皮を使っておいしい料理する大会「クリエイティブクッキングバトルオンラインKawa」に審査員として参加してほしいとお声をかけていただいたんです。

お引き受けして、実際に投稿された料理を見てみると、みなさんのアイデアがすばらしくて参考になることばかりでした。中でも、玉ねぎの皮を揚げるというのは驚きの発想でしたね。私も玉ねぎの皮をムダにしないために炒めたり、スープに煮出したりすることはありますけど、まさか揚げてもおいしいとは! 味だけでなく食感を意識していたところに学びをいただきました。

Tatsuyaさん:そうだね。生のままだと食感が口に残るけど、パリパリにすれば嫌な感じもなくなると思うので、早速試してみたいと思います。僕たちもふだんからブロッコリーの芯をごはんに混ぜたりしますけど、その要領で揚げた玉ねぎの皮を入れてもおいしいかもしれないと思いました。

一緒に作れば“残さず、みんなハッピー”の連鎖が生まれる

Tatsuyaさん:今回の審査員をさせてもらって感じたのは、みなさん誰かと一緒に楽しく料理を作っていたことが印象に残っています。料理って毎日のことだから大変ですけど、お子さんや旦那さん、恋人など誰かと一緒に作ると楽しいかもしれません。

SHINOさん:その場で生まれる笑顔がいいですよね。そうやって“食材の使いきり”のことも楽しく考えていければいいなと思います。

Tatsuyaさん:ひとりでキッチンに立って調理しがちな方が多いと思うので、ひとりじゃなくみんなで料理をするのはいいかもしれないね。それに自分で作ると残さず最後まで食べようと思うから、ごはんを余らせてムダにしてしまうということも少なくなるのではと思います。

●食品ロスを楽しく解消する料理動画投稿コンテスト『クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン “KAWA”』

『クリエイティブ・クッキングバトル』とは、「アリモノからおいしい料理を作ることは、生活の中で最もクリエイティブな行為である」を合言葉に、残り食材を工夫して自由に料理する能力に焦点を当てた、エンターテイメント型フードロス解消イベントです。

今年のイベントは『クリエイティブ・クッキングバトル・オンライン “KAWA”』と題し、野菜や果物などの食材の“皮”を活用した、これまでにないクリエイティブな料理をつくる様子を撮影した3分動画を投稿していただくオンラインコンテスト形式で開催しました。

今回インタビューしたぐっち夫婦のお二人も審査員を務めています。また、「ぐっち夫婦特別賞」として選ばれた、『JACK IN THE BOX!』さんと一緒に制作する動画も近々公開予定なので、要チェックです!
>>>結果発表はこちらから

ぐっち夫婦

夫婦料理家ユニット。「日々の暮らしを楽しく美味しく。ちょっとおしゃれに」そんなきっかけをお届けできたらと思い、夫婦で料理家をしている。「今日なにたべよう?」というテーマで、素直に今の自分たちに自然体で料理と向き合っている。著書に『夜食以上、夕食未満。野菜多めで罪悪感なし 遅く帰った日の晩ごはん』がある。
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