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コラム

25kg痩せた医師が伝授!痩せにくくなった人にオススメしたい「にこたまダイエット」

「おなか周りに脂肪がつきやすくなった」「食事制限をしても、なかなか思うようにやせない」 年齢を重ねると出てくるこの悩み、もしかすると、肝機能の低下が原因かもしれません。そこで今回は、肝臓専門医である川西輝明医師による著書『25kgやせた医師が教える にこたま肝臓ダイエット』(gakken)から、痩せにくくなった人にぴったりなダイエット方法ついて少しだけお届けします。

やせにくくなったら、肝機能の低下を疑うべき!

年齢を重ねるごとに、やせづらさを感じている人は多いのではないでしょうか?若いときは、食事を調整すれば体重を戻せたのに、今は戻らないどころか、太る一方……。そんな人は、肝臓の機能低下を疑ってみる必要があります。

私たちの体は、寝ているだけでも常にエネルギーを消費しています。生命を維持するために使われる必要最小限のエネルギーのことを、「基礎代謝」といいます。

ミドル世代にさしかかると、ほとんどの方は基礎代謝量が落ち、20代の頃と同じ食事をするとたちまち体重は増加します。「最近、太りやすくなった」と感じているのは、単純に加齢により基礎代謝量が下がって、思うようにエネルギーが消費できないからなのです。

基礎代謝量を最も消費するのが、肝臓です。臓器の中で横綱級の重量を持つ肝臓は、基礎代謝量は全体の1/4以上を占めており、エネルギー代謝量においては数ある内臓の中でもダントツ。これほどまでのエネルギー代謝量が大きい肝臓は、ダイエットにとって無視できない臓器といえるでしょう

ひとたび肝臓の機能が落ちれば、ダイエット的にもマイナスです。ひるがえっていえば、肝臓が元気でエネルギー代謝量が十分にあれば、じっとしている間も絶え間なくエネルギーを燃やしてくれるので、ダイエットをバックアップしてくれます。

つまり、効率のいいダイエットを目指すなら、肝機能を見直してみることが、一番手っ取り早いといえるのです。

肝臓のために注目したい食材が、完全栄養食品の「卵」!

肝臓が喜ぶ食べ物と聞いて、真っ先に思い浮かべるものはなんでしょうか? 二日酔いにいいとされるシジミ? それともレバーでしょうか?

私がおすすめしているのが、どこでも手に入りやすいです。

日々、生まれ変わる肝臓の材料になるのは、なんといってもタンパク質です。卵1個の重さはMサイズで約50g。 2個(100g)食べれば、タンパク質は11.3g。つまり厚生労働省が示す1日のタンパク質の必要摂取量の1/4〜1/5をまかなえる計算です。

肝臓専門医として臨床の現場で長年働いている私から見て、脂肪肝の治療を要する患者さんは、カロリー過多な一方で、肝臓の材料になるタンパク質のような栄養が摂れていない人も多く、偏った食事をしている印象がありました。

そもそも現代人のカロリーオーバーの食生活は、主食であるでんぷん類の摂取が多く、相対的にビタミン・ミネラルが不足しています。それが糖尿病のリスクを高めるだけでなく、代謝の要となる肝臓への負担を大きくしているのでは?と、私は考えました。

その点、「にこたまダイエット」の主役となる卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素が1個の中に凝縮。日々再生を繰り返す肝臓そのものの材料となるタンパク質や、肝臓の働きを助けるビタミンやミネラル、脂肪肝の予防に役立つと期待されているレシチンといった栄養素が詰まっています。しかも添加物を一切含まないナチュラルフードでありながら、価格も安価で手軽に食べられる便利な食材です。

完全栄養食品である卵を食べながら、食事量をきちんとコントロールしていけば、肝臓の元気が取り戻せるかもしれない、と私は考えたのです。

1食分の主食を卵2個に置き換えるだけ!
「にこたまダイエット」のススメ

「にこたまダイエット」は肝臓専門医がさまざまなダイエットに試行錯誤する中で編み出した、手軽にできて効果が高いダイエット法です。

「にこたまダイエット」のやり方はとてもシンプルです。1日3食のうち、1食分のでんぷん質(炭水化物)を、卵2個に置き換えるだけ。朝食、昼食、夕食のうち、どの食事でもOKです。

このでんぷん質とは、ご飯、パン、麺類といった主食のこと。ほかに、ジャガイモやカボチャ、サツマイモといったイモ類もでんぷん質に含まれますが、まずは難しく考えず、いつも食べていた主食を卵2個に「置き換え」てみてください。面倒なカロリー計算をする必要もなく、PFC(タンパク質/脂質/炭水化物)バランスを考えなくても大丈夫です。

ポイントは、卵を2個食べたときは主食を減らすのではなく、きちんと抜くこと。この理由は以下の3つです。

【1】肥満の原因となる血糖値を急激に上げないため
【2】炭水化物の中でも消化に比較的時間がかかるでんぷん質の供給を一時的にストップすることで肝臓を休ませるため
【3】肝臓の材料になるタンパク質を優先的に届け、生まれ変わりの早い肝臓を元気にするため

「卵以外のおかずは減らさなくていいの?」と質されますが、おかずは今まで通り気にせずに食べて大丈夫です。つまり、ご飯などの主食を抜けば、卵 個に焼き魚をつけても、お肉を加えても問題ありません。

ダイエットの効果をなるべく早く上げたい人は、活動量の少ない夜に置き換えるのがおすすめ。夜は、エネルギー源になるでんぷん質を必要としていないからです。また、1日1食の「にこたま」が特につらくない人は、2食の置き換えにチャレンジしてもOKです。自分のライフスタイルに合わせてゆっくり慣らしていってください。


本文は『25kgやせた医師が教える にこたま肝臓ダイエット』(gakken)より一部抜粋・編集・追記しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

主食1回を卵2個に置き換える『にこたま肝臓ダイエット』が完成にいたるまで、いろいろ試行錯誤してきました。外来で、患者さんに食事や運動を頑張ってちょっとやせましょう、と指導をしていた自分自身が食べ過ぎて太ってしまい、いろんな体調不良を経験し、これじゃあまずいとダイエットを頑張っていく中で見出した食事法です。
本書は肝臓の働きや卵の持つ栄養パワーなど、さまざまな背景からわかりやすく食事法を解説しており、患者さんからも好評をいただいています。
とても取り組みやすい内容なので、ダイエットや肝機能の低下にお悩みの方にぜひチャレンジいただき、感想も聞かせていただけたら嬉しいです。食生活を見直し、今後の健康づくりを考えるきっかけになるのでは、と期待しています。
これからもさらに工夫を重ね、患者さんと一緒にいい方法を作り上げていきたいと思います。

書籍紹介


1食分の主食を卵2個に置き換えるだけ!
肝臓から脂肪を落とすラクやせダイエット!

肝臓に起こる疾患の代表格である「脂肪肝」。中性脂肪が肝臓に蓄積する症状で、日本では男性の32~41%、女性の9~18%に見られると言われ近年増加傾向にあります。

脂肪肝を改善するための食事法のポイントは、炭水化物メインの主食を控え、バランスのいい食事をとること。

とは言っても実践するのはなかなか難しいですよね…。

本書で提唱している食事法が、3食のうち1食の主食をたまご2個に置き換える通称「にこたまダイエット」です。

たまごは、必須アミノ酸を含む良質なたんぱく源であり、脂肪酸やビタミン、ミネラル等も補える栄養食。肝臓の機能をサポートする成分も含まれています。たまごをとることで満腹感も得られるので継続が簡単で、自然と栄養バランスが整いやすくなるのもうれしい点。

川西医師自身もこの方法で、3年間で25kgのダイエットに成功。肝臓の数値が改善した!体重が落ちた!という実例も多数あります。

本書では、川西医師や患者さんの実例をあげながら、「にこたまダイエット」のくわしいやり方や、メカニズムをわかりやすく解説します。

著者紹介

川西 輝明(かわにし てるあき)
1992年北海道大学医学部卒業。日本内科学会認定内科医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化 器内視鏡学会専門医、日本超音波医学会専門医。北海道民医連就職、稲積公園病院、札幌緑愛病院勤務を経て、17年5月「肝臓クリニック札幌」開院。自身の肥満や脂肪肝を改善するためさまざまなダイエットに取り組んだ結果、主食をたまごに置き換える「にこたま療法」にたどり着き、見事大幅減量、脂肪肝克服に成功。患者さんへの食事指導の入り口として「にこたま療法」を勧めたところ、ダイエットに成功する方や、肝臓の数値が改善する方が続出し、様々なメディアでも話題に。クリニックでの勤務のほか、肝臓がんを予防・患者を減らす取り組みとして肝がん検診団を結成。肝臓病に関する正しい知識を啓蒙するため、全国公演をライフワークとしている。

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