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唐揚げは「4分揚げる」と覚える!揚げ物のハードルが低くなる最強Tips集【急に料理が得意になる方法 vol.7】

毎日の料理は、極力手を抜いてラクをしながらも、ちゃんとおいしく仕上げたいですよね。2020年5月28日に発売された、クックパッド編集担当本部長・小竹貴子さんの新刊『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』には、それを叶えるためのシンプルで簡単な料理のコツが満載。この連載では、本書の中から厳選して、すぐに使える“おいしくなるルール”をご紹介します。マスターすれば、急に料理が得意になること間違いなし!

揚げ物をハードル低くしたいなら、温度計を買うこと

揚げ物って、面倒じゃないですか? 特に、揚げ物をあまりしない人には、ハードルが高いと思います。揚げるまでの食材の下準備や、ダイナミックに油を入れなければならないこと、そして油の後始末などがハードルの高いポイントでしょうか。

しかし、じつは揚げ物は手抜き料理です。なぜなら、下ごしらえや味つけや切り方など、適当にしてもおいしくできるから。揚げられさえすれば、誰が作ってもおいしくなります。

揚げ物は、油の温度と揚げる時間さえきっちり守れば、そのほかはいい加減にしても失敗しません。ポイントはここだけ。

ですので、ぜひ揚げ物のときは油の温度を必ず計り、タイマーもセットしてください。「それが面倒くさい」という声が聞こえてきそうですが、IHクッキングヒーターをお使いの人なら、揚げ物コースで温度設定をして、ガスコンロの場合は揚げ物用の温度計を買うだけです。1回やってみると「とても簡単だった」となることうけあいです。温度計も安く売っていますよ。

よく油の温度を計るには「菜箸を入れてこれくらい泡立ったら○度」と言われますが、それだと人によって誤差が出るので、計ったほうが断然ラクで正確です。

また、これは料理研究家の有元葉子さんがご著書で書かれているのですが、「油は調味料のひとつと考える」というのはとてもおすすめです。油を使った料理は、それだけでおいしい、ひとつの味つけです。油はその料理を作るために必要な調味料と割り切ると、揚げ物に感じるハードルが下がるように思います。

家の揚げ物がいちばんヘルシー

揚げ油の処理には、私は使い捨て専用の紙パックに入れて捨てています。

1回の料理で使った油は保存せず処分しています。その代わりに、唐揚げを揚げる前に、野菜を素揚げして揚げ浸しも一緒に作ったりして、1回の作業で何品か料理を作るように心がけています。素揚げなら油が汚れないのでそのまま別の揚げ物ができます。

外で食べたり、お惣菜を買ったりすると、どうしても揚げ物だけは油を何度も使いまわして酸化していることが多いので、胃にもたれたり体に負担がかかりやすいです。揚げ物は、家庭で作るのが安心です。それに家で作ったほうが「揚げたて、あつあつ」を味わえるので、揚げ物こそ家庭で作りたい料理です。

我が家では、揚げ物の頻度は週2回ほどと多いです。特に夏場は火がしっかりとおっている料理が安心なので多くなります。お弁当にも揚げ物は喜ばれるので、唐揚げや肉団子の素揚げ、エビの素揚げなどいろいろ入れています。

揚げ方には2種類ある

「揚げ物」には2種類あると覚えると、ラクになります。ひとつは、「中まで火をとおすために揚げる」こと。ふたつは、「色をつけるために揚げる」ことです。

たとえば唐揚げやトンカツは生の肉を揚げるので、中に火がとおるまで170度くらいで4分ほどじっくり揚げる必要があります。対してコロッケや、ゆでたじゃがいもを揚げるフレンチフライなどは、タネに火が通っているので、揚げるのは色をつけるため。なので本当に揚げ方は適当でよくて、こちらも170度くらいで2分くらい好きな色がつくまで揚げるだけでいいのです。

同じ揚げ物でも、揚げ方にこの2種類があるとわかっておくだけで、どう揚げればいいのかわかってラクです。

唐揚げは4分揚げると覚える

食材に火をとおす揚げ方の代表は唐揚げです。

唐揚げは、「170度で4分」で火がとおります。表2分、裏返して2分です。今はもっと低めの温度で長く揚げるレシピがトレンドになっていますが、まずは基本的な揚げ方を暗記してから、お好きにアレンジしてみるといいでしょう。

まずは肉の下処理をします。鶏もも肉1枚は黄色い脂肪を取り、包丁でひと口大に切ります。これがあると食感が悪くなるので、面倒かもしれませんがぜひやってください。おいしくなります。そのとき、皮は一緒に取らないように注意します。

鶏もも肉は黄色い脂肪を取りのぞくと、ぐにゃっとした食感がなくなります

鶏もも肉をボウルに移し、酒大さじ1、しょうゆ大さじ1で味つけします。お好みで、しょうが、にんにくを入れてもかまいません。塩麹があれば、酒としょうゆの代わりに塩麹だけで味つけできます。

溶き卵1個を入れて5〜10分置きます。卵を入れることで肉が柔らかくなります。この間に、別の作業にとりかかってください。

鶏肉をペーパータオルで拭き、水気をとって、片栗粉と小麦粉を小さじ2ずつまぶしてもみます。ちなみに片栗粉のみだと竜田揚げ風になり、小麦粉のみだと柔らかい唐揚げになります。

片栗粉と小麦粉は同じ比率で。もむように全体に行き渡らせます

油をフライパンか鍋に3センチほど注ぎ、170度に温めましょう。油が170度になったら鶏肉の皮を下にして入れ、表裏2分ずつ揚げます。

入れてしまったら、もう触らないようにしましょう。衣が落ちるのを防げます。計4分揚げたら、できれば一度鶏肉を引きあげ、油を190度まで温めて、ふたたび鶏肉を入れて二度揚げすると、カラっとおいしく揚がります。30秒ほど揚げればいいでしょう。

レシピなしで作れるようになると唐揚げはとても簡単なので、私は朝お弁当用に2、3個だけ揚げたりもします。ちなみに、ストウブの12センチほどの小鍋なら油がほんのちょっとでいいので、無駄がでません。揚げる量に合わせて鍋を小さくするのもポイントです。

片面2分ずつで火がとおると覚える。家で食べると油が新しいので、胃もたれしません

材料(2人分)

鶏もも肉(黄色い脂肪を取り、一口大に切る)...... 1枚
酒...... 大さじ1
しょうゆ...... 大さじ1
しょうが、にんにく...... 適量
卵(溶く)...... 1個
片栗粉...... 小さじ2
小麦粉...... 小さじ2
サラダ油...... 適量

作り方

1 鶏もも肉をボウルに入れ、酒としょうゆをもみこむ。好みでしょうが、にんにくを加える。
2 ボウルに卵を入れ、鶏肉にからめて5〜10分置く。
3 鶏肉をペーパータオルで拭き、片栗粉と小麦粉をまぶす。
4 油を鍋に1cmほど注ぐ。油が170度になったら鶏肉の皮目を下にして入れ、表裏2分ずつ揚げる。
5 一度鶏肉を引きあげ、油を190度まで熱して、鶏肉を入れて30秒ほど再度揚げる。

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(撮影:深澤慎平)

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クックパッドの立ち上げメンバーで、現在は編集本部長を務める著者は、これまでクックパッドの320万に及ぶ膨大なレシピを見て、たくさんのシェフに会い、そして日々の自分の料理をする中で「ここは手を抜いてもいい」「ここはこだわった方がおいしい」のラインを仕組み化してきました。この本では、その方法と全68品のオリジナルレシピを紹介しています。

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>>どちらのアカウントからもご覧になれます。要チェック!
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小竹貴子

クックパッド株式会社ブランディング・編集部担当本部長。1972年、石川県金沢市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。株式会社博報堂アイ・スタジオを経て、2004年に有限会社コイン(後のクックパッド株式会社)入社。編集部門長を経て執行役に就任し、2009年に『日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010』を受賞。2012年、同社退社。2016年4月から再びクックパッド株式会社に復帰、現職。現在、クックパッドニュースにて『おいしい思い出』、ForbesJAPANにて『それ、「食」で解決できます!』を連載中。また、フードエディターとして個人でも活動を行っている。

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