世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人 (COOK) と食べる人 (HIKER) をマッチングするWebサービス、KitchHikeの世界各国の食卓を巡る連載。今回は、神楽坂にお住まいのインドネシア人リンダさんのお宅でインドネシアの伝統的な朝ごはんをいただきました。
こんにちは! シブヤ大学の公認サークル「週末アジア旅倶楽部」で活動するTeruです。アジアが大好きな私たちがKitchHikeを使って、外国人COOKのお宅で本場の朝ごはんを作ってもらうという企画「アジアの朝ごはん」が始まりました! 第一弾は「インドネシアの朝ごはん」。KitchHikeは初めてというメンバー4人で、緊張とワクワクに包まれながらCOOKのご自宅へ。どんな体験が待っているのでしょうか……!?
今回訪ねたのは、インドネシア人のリンダ (Linda) さん。明るく元気な「こんにちは~!」に迎えられて、緊張していた私たちの雰囲気も和らぎました。
お家の中へ案内されると、早速インドネシアではポピュラーなウェルカムドリンク「アボカドジュース」を出してくれました。
作り方は簡単です。
1. アボカド1個、牛乳200ml、ガムシロップ大さじ2をミキサーに入れて、ふわふわになるまで混ぜます。
2. ガラスのコップの内側に沿ってチョコレートシロップをたらし、そこへミキサーの中身を注げばでき上がり。
インドネシアでは豆乳で作ることもあるそうですが、豆乳よりさっぱりした牛乳とガムシロップが合うのだそう。
飲んでみると思ったより軽くて飲みやすい!甘すぎず、コクのあるアボカドとチョコレートの組み合わせがぴったりで、ゴクゴク飲んでしまいました。インドネシアでは毎朝もしくは毎食 (!) 飲んでいるドリンクだそうです。
さて、素敵なウェルカムドリンクで一息ついたところで、いよいよ「朝ごはん」のスタートです!
今回作ってもらう朝ごはんは「ナシ・ウドゥ (Nasi Uduk)」。 「ナシ」はご飯を意味し、「ナシ・ウドゥ」とは、ご飯と一緒におかずがいくつかプレートに盛られたワンプレートごはんのことです。それぞれの家庭によっておかずの組み合わせや味が違う、いわば「お母さんの味」なのです。
インドネシアでは朝ごはんは屋台で食べることが一般的だそうですが、週末は家でお母さんが作ってくれます!それが「ナシ・ウドゥ」。なのでちょっと特別な朝ごはんかもしれません。さらに、今回リンダさんには、リンダさんのご実家でも年に2回くらいしか出てこないという特別なおかず5品を作ってもらいました♪
では、作り方です。
1. 米とココナッツミルク、水、そしてスパイスはレモングラス、ローリエ、ガランガを鍋に入れて煮込みます。
2. 煮込む時間はそのときどきですが、じっくり1時間くらいは火にかけるそう。その後蒸し器に移し、約20分蒸します。
ご飯を炊くなら炊飯器でも良さそうな気がしますが、どうやらインドネシアでは炊飯器でお米を炊くことは滅多にしないそうなんです。お米を煮込んで蒸すなんて手間がかかるように思えますが、これがお母さんのおいしいレシピの秘密なんですね。
続いて5種類のおかずとデザートの作り方を紹介してきます。
1. ビーフンは茹でておきます。
2. キャンドルナッツ、ニンニク、タマネギ、トマト (半量) を少しずつミキサーに入れて潰します。
3. それらをフライパンで炒めた後、残りの半量のトマトをダイスカットしてフライパンへ入れ、塩コショウをして炒めます。
4. 小松菜、キャベツを入れ、さらにビーフンを入れ、「ケチャップマニス」という調味料を入れてでき上がり。
「ケチャップマニス」は、代表的なインドネシア料理「ナシゴレン」に必須の調味料。黒糖のようなコクと酸味が少しある甘口醤油のようなもの。リンダさんはBANGOというメーカーのものがお気に入りのようです。 「キャンドルナッツ」はインドネシアやマレーシア料理によく使われるナッツ。都内では大久保のインドネシア食材店で入手できるそうです。
和食でいう錦糸卵のようなものです。
1. 塩と卵を混ぜ一枚一枚フライパンで焼きます。
2. 冷めたら細く切っていきます。
1. 細くダイス状に切ったテンペに、水、砂糖、塩、ニンニクを入れて混ぜておきます。
2. 味がなじんだら少しずつ油で炒め揚げをしていきます。
3. フライパンにエシャロットと唐辛子を入れ炒めます。その後、素揚げしたテンペと醤油を入れ炒めてでき上がり。
テンペはインドネシアの伝統的な食材。これは、蒸した大豆にテンペ菌をまぶして発酵させた保存食です。納豆のような匂いや粘りはなく、ホクホクした大豆の食感と甘みが特徴です。
テンペは、「ナシ・ウドゥ」にはマストな食材だそうです。
1. 鶏もも肉とガランガ、タマリンドを一晩つけておきます。
2. スライスしたタマリンドを入れた油でじっくり揚げます (普通の油ではなく、スパイスを入れた油がインドネシアでは一般的だそうです)。
3. カラッと揚がったらでき上がり。
一番盛り上がったのは、このえびせん作り (笑)!みんなでワーワー言いながら楽しく揚げました。
1. 薄いえびせんチップスの素を油に入れます。
2. あっという間にふわーと膨れるので、すぐにお皿へ移します。
1. ゆでたサツマイモ (紫芋でもいい) を潰して、冷まします。
2. 冷めたら片栗粉大さじ3と塩を混ぜます。
3. パームシュガー (ココナッツシュガー) をスライスします。
4. 潰したサツマイモを広げ、スライスしたパームシュガーを包んで丸めます。
5. 団子状に丸めたサツマイモをゆで、ココナッツファインをまぶしてでき上がり。モチモチしてほんのり甘いデザートでした。
出来上がりました~!! まず、料理をお皿に盛りつける前に、テーブルデコレーション。紙ナプキンを使って葉っぱやお花を作り、お皿に飾ります。「季節に合わせてナプキンの色や形を変えるんです」とリンダさん。おもてなしの心が伝わってきます。
さぁ、いよいよ盛り付け。お皿の真ん中にココナッツライスをのせ、そのまわりにおかずをきれいに並べていきます。
えびせんにはサンバルというチリペーストを添えて。
ようやく「いただきます!」
インドネシアでは手で食べるのが一般的。それぞれのおかずをごはんの上にのせて、混ぜながら食べます。
慣れない手つきではありますが、いただきま~す!……「ん~~~~~♪ お~いし~い!!」
ごはんやおかずの温度、触感、指先からごはんのエネルギーが伝わってきます。みんな手を使って、もりもり食べてしまいました。
食後はインドネシアのコーヒーや紅茶でのんびりしたひとときを。
とても気さくで明るいリンダさんのインドネシア朝ごはんは、笑顔に包まれた楽しい時間となりました。
リンダさんとのおしゃべりを通して、インドネシアの日常生活を垣間見ることができ、インドネシアに行ってみたいなと思いました。リンダさんに感謝です。
食事の後は、リンダさんのご自宅のそばを自転車で散歩!リンダさんの内からあふれる笑顔やそのアクティブさは、インドネシアのおいしい朝ごはんにあるんだな~と実感しました。
世界中の食卓で料理をつくる人(COOK)と食べる人(HIKER)をマッチングするWebサービス。現在28ヶ国500以上のメニューを公開。KitchHikeマガジンやFacebookでおいしい情報を発信中! https://kitchhike.com
旅行者を自宅に招いて料理をふるまうCOOKになってみませんか?外国人と交流する機会に。独立開業前のトライアルや、ちょっとしたお小遣い稼ぎにも。身につけた料理の腕前、披露するチャンスがここにあります。 旅先や海外の家庭料理を食べて現地の人と交流してみたい人は、HIKERになってみませんか?食文化は暮らしの真ん中。海外はもちろん、日本に住む外国人COOKたちもあなたの訪問をお待ちしています。