日本No.1レシピサイト「クックパッド」編集部
みなさんは「精進料理」と聞くと、どのようなことが思い浮かぶでしょうか。
「ボリュームが少なく、お腹いっぱいになれないかも」
「肉や魚がなくて、地味かも…」
「なんだか作るのが難しそう」
そんな、少しマイナスなイメージを抱く人もいるかもしれません。
しかし、「野菜、豆、発酵食品がたっぷりとれる 毎日食べたい いまどき 精進ごはん」で紹介されている精進料理は、おいしくてボリュームがあり、しかも簡単に作れるレシピばかりなのです。
著者はメディアで人気の料理僧・青江覚峰さん。浅草に居を構え、毎日家族のためにごはんを作っています。
有名な観光地である浅草には、毎日たくさんの国からお客さんが訪れ、浅草ならではの食を楽しんでいますが、最近はハラルフードやベジタリアンに対応したメニューが少ない、といった食に対する不安の声が聞かれることも多くなったそう。
そこで、肉や魚といった動物性の食材を使わず、またできるだけ無駄を出さない調理方法がSDGsの価値観にも叶うとされている「精進料理」がいま、「食のユニバーサルデザイン」として大きな注目を集めているのです。
動物性の食材を使わないというルールのある精進料理では、大豆製品やお麩、ナッツや豆などがよく使われています。
本書では数ある食材の中でも、青江さんが特によく使う「精進ごはんの定番食材」が紹介されています。この中から、代表的なものを2つ抜粋してご紹介しましょう。
大豆から作られる豆腐は、タンパク質を豊富に含んでいるうえ、料理にボリュームが出るので、肉のかわりとして精進ごはんに使われます。幅広い調理方法や味付けに合う使い勝手のよい食材なので、精進ごはんを作りたいと考える際には、ぜひ用意しておくとよいでしょう。
豆腐を凍らせて乾燥して作られる高野豆腐は、調理するとスポンジのように汁を吸って、独特の弾力が出るのが特徴。また長期保存がきくので、常備しておくと便利ですよ。
「豆腐のみそ漬け」と「高野豆腐の唐揚げ」はどちらも簡単に作れるので、精進ごはんの入門にぴったり。今まで味わったことのない、豆腐や高野豆腐の新たなおいしさを発見できるはず。
豆腐の甘みとみその旨みで、やさしい味わい。じっくり1日寝かせることで、味わいが深くなります。みそと塩麹、2つの発酵食品も食べられる一品です。
絹ごし豆腐……1/2丁(約150g)
(A)
みそ、みりん……各大さじ2
塩麹……大さじ1
1. 豆腐はペーパータオルで二重に包み、皿などで重しをして20分ほどおき、水けをきる。
2. ボールにAを入れてよく混ぜる。
3. 2の半量を保存容器に入れ、1をのせる。残りの2をかぶせる。冷蔵庫に入れて1日ほど漬ける。
外はカリッ、中はもちっとした食感。肉の唐揚げとはまた違う、意外なおいしさを楽しめます。
高野豆腐……1枚(約17g)
(下味)
みりん……大さじ2
しょうゆ、酒……各大さじ1
おろししょうが……小さじ1
片栗粉、揚げ油……適量
1. 高野豆腐は水につけてもどし、水けをぎゅっと絞って角切りにする。
2. ボールに下味の材料を入れてよく混ぜ、1を加えてかるくもむ。
3. フライパンに揚げ油を入れて低温(160〜165℃)に熱し、2に片栗粉大さじ2をまぶしながら入れる。からりとするまで3~4分揚げる。
本書では、今回ご紹介したお料理のほかにも、ハンバーグやキーマカレー、ロールキャベツといった洋風の人気料理を精進料理にアレンジしたレシピや、プリンやぜんざいといったおやつレシピも掲載。今までの精進料理のイメージをがらりと変えてくれるレシピが満載です。
また精進料理についてのコラムもたっぷり。料理のレシピ本とだけではなく、精進料理に関する知識も身につく1冊です。
野菜や豆、発酵食品がたっぷりとれる、いまどき「精進ごはん」に興味がある方は、ぜひ本書をお手にとってみてください。
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