【ドキュメンタリーレストラン ゼロ vol.8】出張料理人・ソウダルアさんが、日本中で日々失われていく食材をメインに据えたコース料理を考案し、そのレシピをお届けします。連載第8回目のテーマは、「キャベツ」。芯まで余すことなく、1玉丸ごと味わい尽くす珠玉の全5品をぜひご覧ください。
様々なシーンで登場する安価でボリュームたっぷりの野菜“キャベツ”。
江戸時代に入ってきた時には、葉牡丹の別名である“甘藍(かんらん)”という美しい名で呼ばれており、観賞用でもあったそう。
そんなお話も今は昔、昨今は野菜界の中ではなんでも屋の扱いで添え物として千切りが出てくる始末。
今回はそんなキャベツを丸ごと一玉、しっかりおいしく食べきることでお家の中のフードロスを“ゼロ”にします。
キャベツ 1/4
キャベツの芯 ぜんぶ
塩 キャベツに対して2%
カレー粉 大さじ2
クミンシード 適宜
1. キャベツの芯と葉を千切りにする。
2. 塩とカレー粉を振り、手で揉み込む。
3. 冷蔵庫で1週間、寝かせれば完成。
※1日1度、全体を混ぜ合わせてください。
キャベツ 1/4
市販のパスタソース(ペペロンチーノ味) 1食分
水 大さじ2
1. 小さめのフライパンにくし切りにしたキャベツを乗せ、ペペロンチーノの素と水をかける。 2. 蓋をして、20分蒸し焼きにすれば完成。
キャベツ 1/4
ツナ缶(オイルあり) 2缶
コンソメキューブ 2個
胡麻油 大さじ1
おろし生姜 小さじ1
練乳 小さじ1
マヨネーズ 大さじ3
胡麻 大さじ1
刻んだ塩昆布 大さじ1
醤油 小さじ2
フライドオニオン 適宜
1. キャベツを千切りにして、コンソメキューブと耐熱容器に入れ、電子レンジで3分間あたためる。
2. ツナ缶をオイルごとと胡麻油、おろし生姜、練乳を入れ、水分と乳化するように混ぜ合わせる。
3. さらにマヨネーズ・胡麻・刻んだ塩昆布・醤油を入れ、混ぜる。
4. フライドオニオンをかけて完成。
ツナ缶のオイルの臭みを生姜で抑え、旨みのみを引き出し、胡麻油で香りプラスします。塩昆布でほのかな歯ごたえとグルタミン酸の旨みの相乗効果を加え、練乳で奥行きを出し、フライドオニオンでザクザクとした食感が合わさり、さらに無限に食べられるようにいたしました。
豚バラ肉 500g
ザワークラウト 豚バラを覆うくらい
粒マスタード お好みで
1. 豚バラ肉を一口大に切り、片手鍋で水から茹でお湯が沸いたら、お湯を切り、取り出す。
2. 同じ鍋で脂身を下にして、中火で火を入れる。
3. 脂が出てきたら、全面に焼き目をつける。
4. ザワークラウトを豚バラに覆うように乗せ、弱火で1時間ほど蒸し焼きにすれば完成。
キャベツ 1/4
卵 1個
お好み焼き粉 表示に準ずる(少し水を多めにした方がジューシィに仕上がります)
天かす 大さじ3
おうちの余りもの なんでも
1. キャベツを大きめのみじん切りにする。
2. キャベツ、卵、お好み焼き粉を混ぜ合わせる。
3. お好みで余った具材を乗せて、焼けば完成。
大きくまとめて焼いても、小さめにたくさん焼いてもOKです。
生地の方に出汁の素を混ぜると味わいが深くなります。ベースの生地をシンプルにつくってあるので、炒めものの残りや漬物、使いきれなかった調味料や缶詰などなんでも入れて、自分だけの“お好み焼き”をつくりましょう!
写真では、ゴーヤチャンプルーの残り、ニラと白菜のキムチ、アボカド、ベーコン、茹でた素麺、胡麻を乗せました。この後、ひっくり返して完成です。
食べたときの満足感も高いキャベツを主役にすると糖質オフにもなるので、ぜひとも、丸々1個を使って、チャレンジしてもらえると嬉しいです。
今日、あなたのおうちでドキュメンタリーレストランゼロが開店することを願っております。
大阪生まれ。5歳の頃からの趣味である料理と寄り道がそのまま仕事に。“美味しいに国境なし”を掲げ、日本中でそこにある食材のみを扱い、これからの伝統食を主題に海抜と緯度を合わせることで古今東西が交差する料理をつくる。現在は和紙を大きな皿に見立てたフードパフォーマンスを携え、新たな食事のあり方を提案中。
【フードパフォーマンス映像】
https://vimeo.com/275505848