【オーブンいらずでおいしいお菓子 Vol.8】お菓子作りにはオーブンが必要…というイメージを持っていませんか? この連載では、お菓子研究家の福田淳子さんが、オーブンを使わない、おいしいお菓子の作り方を紹介します。第8回のレシピは、クリスマスにぴったりな「いちごショートケーキ」です。
みなさんこんにちは、いかがお過ごしですか?
街はすっかりクリスマスムードですね。街にはイルミネーションが飾られ、クリスマスソングが流れています。みなさんはどんなふうに今年のクリスマスを過ごす予定でしょうか。
12月は1年で1番ケーキが食べられる季節なんだそう。買ってくるケーキもいいけれど、今年はぜひ「クリスマスケーキを作る」に挑戦してみては。
今日はクリスマスの定番、「いちごのショートケーキ」を紹介します。もちろんオーブンは使いません。そして気軽に作りやすいミニサイズです。小さなケーキは一人で食べても、誰かとシェアしても。ちょっとしたおもてなしにもぴったり。オーブンを使わないとは思えない、しっとりふわふわの食感です。
コツは2つ。1つ目はきちんと湯煎で温めながら、卵をしっかり泡立てるのがポイント。温度計がない人は熱湯と同量の水道の水を合わせて使いましょう。50度に近い温度になります。そして、卵はひらがなの「の」の字を描けるくらいに泡立てます。
2つ目はクリームとフルーツをはさんで半日寝かせること。寝かせることでクリームとフルーツの水分がスポンジに移行し、しっとりします。ただ置いておくだけです。半日も? と思うかもしれませんがこのひと手間で、グンとおいしくなるので試してみてください。
デコレーションはお好みで。クリスマスのピックやデコレーションアイテムもたくさん販売されています。使用すると一気にクリスマスらしい雰囲気に。スポンジの周りを塗るのはテクニックも必要ですが、多少いびつでも大丈夫。小さなサイズであれば、カトラリーのナイフを使うとちょうどいいサイズです。クリームは絞らずにスプーンでのせています。上にいちごをたくさんのせるとラフな仕上げでもかわいくなりますよ。粉砂糖をふりかけるのも見映えのコツ。ぜひ試してみてくださいね。
*今回は直径約12cm・高さ12cmの電子レンジ加熱可能な丸型の保存容器を使用。
<スポンジケーキ>
卵…1個
砂糖…30g
牛乳(または水)…小さじ1
薄力粉…30g
溶かしバター(食塩不使用)…10g
<トッピング>
生クリーム…150ml
砂糖…大さじ1
いちご…150g
粉砂糖、クリスマスの飾りなど…お好みで
下準備:丸型の耐熱容器にオーブンペーパーを敷いておく。
1.ボウルに卵と砂糖を入れて混ぜる。50度くらいの湯で湯煎しながら泡立てる。温度が人肌になったら湯煎からはずし、さらに泡立てる。泡立てた生地でひらがなの「の」が描けるくらいまで泡立てる。
*卵1個の泡立てならば、手立ても可能です。ハンドミキサーがある人はハンドミキサーを使ってください。
2.1に牛乳(または水)を泡立て器で加えてよく混ぜる。薄力粉をふるい入れて、ゴムベラで切るように混ぜる。溶かしバターを回し入れ、底からよく混ぜて、全体をよく合わせて容器に流し入れる。
*作業は段取り良く。できたらすぐに加熱します。
3.ふんわりラップをして、電子レンジ300Wで2分半加熱する(生地に生の部分があったら、追加で10秒ずつ加熱する)。
*加熱しすぎに注意。パサつきの原因になります。
4.出来上がったら逆さまにしてケーキクーラーの上で冷ます。あら熱がとれたらラップで包んで冷蔵庫で冷やす。横に3等分する。
*ほんのりあたたかいぐらいでラップをして、冷やすのがしっとりのコツ。
5.ボウルに生クリーム、砂糖を入れてボウルの底を氷水につけて8分立てに泡立てる。4のひとつにクリームと薄く切ったいちごをのせる。これをもう1段繰り返す。周りに薄くクリームを塗って、ラップをして半日寝かす。残ったクリームも冷蔵庫で冷やす。
6.5の周りに、残っているクリームを塗り(目安は7分立て。ゆるければ、泡立て直します)、クリームをスプーンでのせて、粉砂糖を茶こしでふりかけて、いちごを飾る。クリスマスのピック等をお好みでのせる。
お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda