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コラム

【断水した時に】使う水を最小限に抑える調理の工夫/断水時に役立つ備品と使い方

地震や大型台風などの災害によって「断水」したときに、使う水を最小限に抑えるためにできる「調理の工夫」について解説します。

水を最小限に抑えるための工夫

災害時は大人1人あたり飲料用として1日1リットル、調理量も含めると3リットル程度の水が必要といわれています。貴重な水は大事に使わなければなりません。水を最小限に抑えるためにできる調理の工夫を3つ紹介します。

包丁やまな板をなるべく使わない

調理器具を使うと、それを洗うために水を消費してしまいます。その頻度を減らすためにも、包丁の代わりにキッチンバサミやピーラーを使うなどの工夫が必要。使い終わったらアルコールスプレーや除菌ウェットシートでふいておくと衛生的にも安心です。そうすることで、包丁やまな板を都度洗うことはなくなります。

お皿にはラップをかける

器にラップをかけてから盛り付けることで、お皿を洗う手間を省略できて節水になります。この方法を使えば紙皿でも繰り返し使えるので、ゴミの削減にもなります。ラップの代わりにクッキングシートやアルミホイルでもOKです。

食材の水分で「無水調理」

食材の水分を利用して調理をすることで、料理に使う水を少しでも減らすことができます。無水調理の専用鍋がなくてもふたをしっかりすることで蒸気を逃さず、蒸し煮調理が可能に。素材のうまみもしっかり出て、おいしい料理が出来上がります。

まな板・包丁の洗い物も含め、調理に水を極力使用しないレシピをまとめた「節水料理」のページも参考にしてください。

節水に役立つ「ポリ袋調理」

ポリ袋調理は、複数の料理を同時加熱できたり、洗い物が減らすことができて、災害時の制限ある環境下で役立つ調理法です。基本は食材を入れて、湯せんにかけるだけですが、 いくつかポイントがあります。

なお、加熱調理する際は、耐熱のポリ袋を使用してください。透明なビニール袋や低密度ポリエチレン製のものは使わないようにしましょう。

1. ポリ袋に食材と調味料を入れる

深めの器などにポリ袋をかぶせてから食材を入れます。こぼれる心配がなく、特に水などの液体を加えるときは安心です。もちろんポリ袋にそのまま食材を入れても問題ありません。

2. 手でもんで混ぜる

あえたり、味をなじませたり、こねたりといった作業をポリ袋をもんで行います。ボウルや泡立て器などの調理器具がなくても大丈夫です。

3. 空気を抜いて上の方で口を結ぶ

加熱すると空気が膨張し、破裂する可能性があるので、空気が入らないようねじり上げ、 袋の上部でかたく結びます(結んだあとは、 ねじれが戻ってもOK)。

4. 鍋に水をはり、耐熱皿を敷く

ポリ袋が鍋底に直接当たると、熱で破れる可能性があるので、水を入れて耐熱皿を敷いておきます。

5. 鍋にポリ袋を入れて加熱する

食材の入ったポリ袋を、水の状態から入れます。鍋に湯を沸かしてから入れてもいいですが、水からの方がエネルギーを効率的に使うことができます。加熱中はなるべくフタをして、蒸発を防いでください。

6. トングなどで取り出して、器に盛る

火がとおったら、トングや菜箸で袋をすくい上げます。結び目の下をハサミで切り、器に移し替えるか、もしくはそのままポリ袋を器にかぶせて食卓に出しましょう。

カセットコンロ&ポリ袋で炊くご飯

ご飯を炊くほか、工夫次第でパンを作ることも可能。少ない水で煮物も作れます。

断水時に役立つ備品や使い方

災害時の水不足は命にも関わる大事な問題。断水時にあると便利な「お役立ち備品」を紹介します。

ペットボトル

空になったペットボトルは、給水のための入れ物として活用できます(フタのない洗面器などは不向き)。 ペットボトルのフタに画びょうなどで複数の穴をあけ、ボトルの水を手で押し出すとシャワーのように水が出てきて節水になります。水だけだと冷たいので、カセットコンロで沸かしたぬるま湯を混ぜて使うなど、状況に合わせた工夫をしましょう。また、体が冷えている場合はお湯を入れて湯たんぽ代わりにすることもできます。

霧吹き

手や食器を洗う際に便利です。水をかけ流すのに比べて、消費する水の量をかなり抑えることができます。また、夏は熱中症なども起こりやすいので、体にふきかければ気化熱を利用した冷却効果も期待できます。

厚手のノンアルコールコットン

ウェットティッシュなどよりも耐久性があり、タオルのように使えて、汗や皮脂のふき取り感覚もさわやか。お風呂に入れないときに体をふくだけでスッキリします。

災害時にライフラインが寸断されてしまったとき、電気、ガス、水道の中でもいちばんなくなって困るのは「水」だと言われています。手元にある水の量や備品をまず確認しましょう。

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