シカゴ在住。ライター、3児の母。
【ワッキーウッキーのアメリカトレンドレポ】アメリカ在住歴24年のクックパッドアンバサダー・ワッキーウッキーさんがシカゴより最新トレンドをレポート!アメリカで流行っている食材や、日本でもお馴染みのアノ商品の意外な一面などを現地からお届けします。今回は、アメリカでも人気の日本食「ラーメン」についてご紹介します。
日本が誇る国民食の一つで、今や世界中で大人気の「ラーメン」。
ここアメリカはシカゴでも、ラーメン人気は衰えるどころかますます加熱! 新しいお店が続々オープンしており、話題沸騰中です。そのラーメンのクオリティーはとても高く、日本のラーメンを忠実に再現しているものから、アメリカならではのスタイルのものなど、お店によっていろいろなラーメンが楽しめます。その中から今回は、日本ではあまり見ない珍しいラーメンをご紹介します。
アメリカにおけるラーメンブームの始まりは、2000年初頭(※1)といわれています。
その頃は、「これはラーメンではなくうどん、いや冷や麦では……?」と思うような、細い麵なら何でもいい?みたいな似非(えせ)ラーメンを出すお店が乱立していました。「こんなのがラーメンの具材に?ありえない~」「なんでこれがトッピングに?」「ラーメンにこれは無いわ!」なんて叫びたくなる笑えるラーメンネタの宝庫で、酷いラーメンが多かったのです。
ですが、ここ最近のアメリカのラーメンは、とにかくクオリティーが高い!忠実に日本のラーメンを再現するお店や、ラーメンの魅力にハマり日本で修行してきたお店も増えており、その味わいや見た目は、日本のラーメンとなんら変わりありません。いや、なんなら日本のその辺のラーメンよりおいしいかも?と思ってしまうほど。ラーメンは今やアメリカでは「日本食といえばラーメン!」と言われるほど浸透しています。
ちなみに、日本では比較的お手頃価格で食べられるラーメンですが、アメリカではここ最近の物価高が影響して、一杯$15でチップ・税金込みで$20となかなかの値段。日本円に換算すると、なんと約3,000円!(8月15日付け:1ドル149円計算) ラーメン1杯3,000円ってどんな豪華なラーメンなのでしょうか?そんな金額では高くてとても食べられない……と思うのですが、アメリカではそれでも大人気。若い世代から特に人気で、アニメなどのジャパンポップカルチャーやビジュアルの芸術性なども影響しているようです。(※2、3)
日本のラーメンと遜色ないほどのレベルにあるアメリカのラーメンですが、やはり「アメリカならではだなぁ」という面白いラーメンもあります。そこで、実際にどんなおもしろラーメンがあるのかを色々と調べてみました。
まずご紹介するのは『Hokkaido Ramen House』。
こちらのお店は珍しい具材やトッピングが話題で、19種類のラーメンを提供しています。スープは豚骨、醤油、鶏ガラ、味噌などがそろっていて、ベジタリアン向けやグルテンフリーなどのリクエスト対応もバッチリです。
そして、このお店にしかない面白いトッピングはこちら!
なんと、とんでもなく大きいビーフバックリブが、丸々一本ラーメンに突き刺さっている!これは思わず「Wow!」と叫んでしまうインパクトです。リブが大きすぎるので、手でがっつり掴まないと食べられません。でも持ってみると重たい……!まずはラーメンから食べて、次にリブをと思ってみたものの、ラーメンの量も多かったので、肝心のリブまで辿り着けませんでした……。ちなみに、残ったリブは専用の袋に入れて持ち帰り可能。綺麗にラーメンだけ完食し、丸々残った骨付きリブはお持ち帰りとなりました。
他にも、クリスピーで大きいとんかつが一枚乗っている豚骨ラーメンや、
大きなエビフライがゴロゴロ入った醤油ラーメンなども、アメリカならではと言えます。
次のお店は、おしゃれな日本食をポップに提供する『Tokio Pub』。
ファッショナブルな店内には、おしゃれで流行に敏感そうな顧客が連日集い、ディナーでは店内が満席に!ガンガンと大きな音で音楽が流れる、若い人に人気のお店です。日本人シェフもいるそう。
ここで人気のラーメンは、アメリカならではのラーメンバーガー!
もはやこれはラーメンじゃないのではと思いつつも、食べてみると……おいしい!ラーメンの麺でできたバンズが熱々にソテーされており、外はカリッとクリスピー、中はモチモチの麺でハマりそう。ラーメンの味わいを彷彿とさせる醤油とマヨネーズの最強コンビが良い仕事をしています。
お次は、日本食レストラン『Dotombori』。
ランチからローカルの人たちで満席になる人気のお店です。
こちらのお店では、アメリカで受けそうなスープとトッピングで仕上げてある1品、その名もカルボナーララーメンが食べられます。
クリーミーなスープは牛乳に鶏ガラベース。クリームチーズが溶け込んでいるので濃厚でミルキーな味わい。そこにアメリカでは定番のハラペーニョも入り、スパイシーなアクセントも。トッピングにはクリスピーに仕上げたツナフレークにタロイモのチップスを。日本ではあまり見たことが無い食材のオンパレードで、クセになる1品です。
せっかくなので、自分でもアメリカらしいラーメンを作ってみたくなり、自宅にあるインスタントラーメンを使ってアレンジしてみました。「日本には無いだろうなぁ」というトッピングを使うと、あっという間にアメリカンラーメンの出来上がりです。
アメリカといえば、フレンチフライポテトとチキンナゲット。それをおでん風に串に刺してラーメンのトッピングに。そして色鮮やかな野菜を並べてコブサラダのような見た目のラーメンにしてみました。日本でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください!
以前にもカップラーメンの記事を書かせて頂きましたが、最近になってまたまた驚きの新商品が発売され、話題となっています。なんと、キャンプのデザートとして定番のスモアがラーメンに!
そのお味はなんと……甘い!!
ラーメンなので塩辛い味を想定していたのでびっくりし、一口食べていきなり脳がバクった感覚に。でも食べ続けているとだんだん塩気を感じ、その甘じょっぱさに「あれ?イケるかも、意外に大丈夫だ」と、食べ終わるころにはなんだかクセになる味へと変わっていました。スープが麺に吸収されて全くないタイプだったので、ラーメンというよりは焼きそばに近いかもしれませんね。
今回は、アメリカはシカゴで食べられるおもしろラーメンをご紹介しました。ですが、今のシカゴでは、本当においしい日本のラーメンをサーブする本格派ラーメンレストランも多いので、「えっこんなラーメンあるの!?」と驚くラーメンは逆に見つけにくくなっているかもしれません。。ラーメン人気は高まる一方なので、今後もアメリカテイストの斬新なラーメンが登場するかも?その時はぜひまたご紹介させていただきます。
【参考】 ※海外のサイトに遷移します
※1 ラーメンのアメリカでの歴史
※2 何故アメリカでラーメンが流行るのか?
※3 アメリカのラーメンブームはなぜ起こったのか?
シンガポール、ロサンゼルを経て、現在はアメリカ・シカゴ在住。3⼈の子どもを育てる傍らシカゴのレストランやスーパーマーケットを探検しています。⽇々アンテナを張り、世界各国のさまざまな料理に挑戦中!パーティーやおもてなしに役⽴つ料理が得意。