春を呼ぶ魚「鰆（さわら）」を食べよう！

和食などでおなじみの「鰆」。なかでも西京味噌に漬けて焼く「西京焼き」は、風味がよくておいしいですよね！ 「白身魚なのに、淡白すぎず、こくがある」のが魅力ですが、それもそのはず、実は鰆はサバ科の魚。見た目が白いので、白身魚として扱われますが、成分は赤身魚。あのうま味には、そんなヒミツがあるんです。また、青魚に属するので、脳を活性化させるDHA（ドコサヘキサエン酸）や善玉コレステロールが多く、動脈硬化予防などのEPA（エイコサペンタエン酸）もたっぷり。おいしさはもちろん、栄養面でも魅力的な魚なのです。

魚料理というとちょっと面倒な印象を持つ人が多いかもしれませんが、切り身魚で売られていることが多い鰆は料理も簡単！ フライパンでいろいろな料理が楽しめます。くせのない味わいなので、和・洋・中などいろいろなジャンルで大活躍。クックパッドにも気になるレシピがいろいろありましたよ。

「魚」へんに「春」という名前の「鰆」ですが、実は旬は春だけではありません。鰆は回遊魚のため、沿岸を通りかかる時期がその地方の旬となります。「春」が旬になるのは、鰆が産卵にやってくる瀬戸内海のエリア。鰆はもともとこのあたりで多く食べられていた魚なので、その名に「春」の文字が入ったのでしょう。瀬戸内海に面する岡山では、「鰆」は郷土料理に欠かせない食材。お刺身や酢の物、ばら寿司など、いろいろな鰆料理が楽しめるそうです。

鰆は成長ごとに名前を変えて行く出世魚としても知られます。春は新しい第一歩を歩みはじめる季節。新入園や新学期、進級など、門出を祝う食卓にもおすすめですよ！（TEXT:田久晶子）