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コラム

アメリカ人が夢中の悪魔料理!毎日食べたい旨さ「デビルド・エッグ」

【アメリカの最新ごはん事情vol.20】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第20回目のテーマは「卵料理」。デビルド・エッグと言われる料理がアメリカにはあるそうなのですが、どんなものでしょうか?

悪魔が囁く…魅惑の卵料理

アメリカには、「デビルド・エッグ」という名前の卵料理があります。激辛のスパイスや調味料を効かせた卵という意味で、そのような名前がついているそうです。

しかし私には、「悪魔が囁いている卵」というような気がしてなりません。というのも、この卵料理は、あまりヘルシーな食べ物ではないため、みんな大好きだけど毎日は食べてはいけない、ギルティプレジャー(後ろめたく感じる密かな楽しみ)な食べ物だからです。

見た目も綺麗なため、パーティーのオードブルによく使われます。作り方は至って簡単なのですが、一手間かかるため普段の食事には出てこないようです。マヨネーズたっぷりで、卵の黄身も合わせるとかなりのコレステロール量になることもあり、健康に気を遣う人たちは、手を出すのを躊躇してしまいます。

もちろん、私が料理を作るセレブ達は、このような料理はほとんど食べません。でも、好きという気持ちには変わりはないですから、パーティーなど特別な時によくリクエストがきます。「デビルド・エッグ!」と目を輝かせて飛びついてくる人も多く、あっという間になくなってしまいます。みんな美をキープするために、普段は我慢をしているのですね。

1000年以上前から存在しているレシピ!?

これほど人気のあるデビルド・エッグの歴史は古く、古代ローマ発祥と言われています。昔のデビルド・エッグがどのような形だったかはわかりませんが、やはり、スパイシーなソースでゆで卵を味付けして、富裕層がパーティーの前菜として提供していたそうです。

今のデビルド・エッグに最も近いものは、13世紀にスペインのアンダルシア地方で書かれた卵のレシピのようです。その後、ヨーロッパはもちろんのこと、アメリカにも伝わりますが、1896年に出版された「ボストン・クッキングスクール・クックブック」で初めてマヨネーズを使うレシピが掲載されたようです。

近年では、黄身にアボカドを混ぜたり、白身に色をつけたりと色々とアレンジされたレシピが出てきています。アレンジ自在で、家にある材料で簡単にできます。ホームパーティーや家飲み用に、作ってみてはいかがでしょうか?

デビルド•エッグの作り方

【材料】
卵……6個
マヨネーズ……1/4 カップ(大さじ4)
ディジョンマスタード(又は普通のマスタード)……小さじ1
酢……小さじ1
塩、胡椒……適量
スモークドパプリカ(又は普通のパプリカパウダー)……適量
飾り用ハーブ(オプショナル)……適量
(ディル、イタリアンパセリ、あさつき、何でもいいです)

【作り方】
1.お鍋に水と冷蔵庫から出した卵を入れて、沸騰してから12分茹でて固ゆで卵を作る。

2.12分経ったらすぐに水で冷やして、ボールに卵と氷をたっぷり入れて10分ほどおく。

3.白身に傷を入れないように気をつけながら殻を剥く。

4.ゆで卵を縦に2つに切り、黄身を取り出して裏漉しをする。

5.(4)にマヨネーズ、ディジョンマスタード、酢、塩、胡椒を入れて混ぜ合わせる。

6. (5)を絞り出し袋に入れて、白身の黄身を取り出した後の穴に絞り出す。

7.絞り出した黄身の上にハーブを飾り、スモークドパプリカを振りかけて出来上がり。

使うお酢は、できればホワイトビネガーがいいですが、なければアップルサイダービネガーか穀物酢がおすすめです。また、胡椒は入れ過ぎると黄身に黒い粒が目立つので、気をつけて。

工程4で行う裏漉しは、黄身を絞り出す場合は必ず行なってください。面倒な場合は、絞り袋に入れずにスプーンですくって白身の穴に入れてもOKです。

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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