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コラム

70代でもガチの仮装が当たり前!アメリカの「ハロウィン料理」はとにかく見た目が最重要

【アメリカの最新ごはん事情vol.14】1989年に渡米し、「セレブ御用達プライベートシェフ」としてアメリカで料理を作り続けてきた明比玲子さんに、日本ではなかなか知ることができないアメリカの食事情を教えてもらいます。第14回目のテーマは「ハロウィン」。日本でも近年盛り上がりを見せるハロウィンですが、本場アメリカの盛り上がり方は桁違い!?ハロウィンパーティーにおすすめのちょっと怖いレシピも教えてもらいました。

子どもから大人まで!みんな大好きハロウィン

ハロウィンと聞くと、子どもが仮装をして「トリック オア トリート」(お菓子くれないとイタズラするぞ!) と言いながら、お菓子をもらうために家を訪ね歩くのを思い浮かべるのではないでしょうか? ある程度大きくなったら子どもだけでも回れますが、そうでなければ親も仮装して、家族全員でご近所を回ります。

ユーモアが大好きなアメリカ人はハロウィンを楽しみにしている大人も多く、子供だけのお祭りと思ったら大間違い! 大人もばっちり仮装してパーティーをするのです。20〜30代の若者、特に女性はセクシーな服で仮装して、みんなで飲んで楽しむパーティーが多いです。また、大人のパーティーの仮装にかける時間とお金は半端なく、たとえ50〜70代であっても、化粧から小物まで見張るものがあります。毎年恒例のニューヨークのハロウィンパレードを見ても、「みんな1年かけて仮装を準備してる?」と思ってしまうようなものばかりです。

街中が仮装で溢れるハロウィン当日

ハロウィンの日は、かなりの人が何らかの仮装をしています。病院スタッフの髪から小さい角が出ていたり、こんな所でもみんな仮装しているの? とびっくりすることが多いです。

そして、帰宅時のラッシュアワーともなれば、みーんなよりどりみどりの格好をしていて、地下鉄の中は仮装をした人で満員です。犬の散歩をしている時に、車のトランクから足が出ていてるのを見て、本当に驚いたことを覚えています。あとで冷静になって考えると、「今日は、ハロウィンだった…」と気づくのです。

ハロウィン当日、何食べる?

パーティーで出される料理は、色が大体決まっています。
1.血を意味する赤
2.ハロウィンカラーの黒
3.ハロウィンカラーのオレンジ
ピザやパスタのトマトソースは赤いので、パーティーによく出されます。オレンジだと、オレンジ色のパプリカ、カボチャ料理など。そして黒は、イカ墨パスタや黒胡麻などが一般的に使われます。

私は仕事柄、パーティーの準備をする際はいつも時間との戦いなので、簡単に作れて雰囲気が出る料理を選びます。今回はその中から、いくつかご紹介します。

1. カリフラワーブレイン

<材料>

・カリフラワー… 1玉
・タバスコ…適量
・塩,胡椒…適量
・トマトペースト…適量

【スパイス】
・スモークドパプリカ…小さじ 1/2
・オニオンパウダー…小さじ 1/4
・ガーリックパウダー … 小さじ 1/4

<作り方>

1.オーブンを180℃に温めておく。

2.スパイスを混ぜ合わせておく。

3.カリフラワーの葉を取り除き、よく洗って水気を拭き取る。

4.カリフラワーの表面にタバスコを塗り、スパイスを手で塗り込んで、塩と胡椒をしっかりする。

5.小さいビニール袋などにトマトペーストを入れて、カリフラワー表面の溝に沿ってトマトペーストを絞り出し、オーブンに入れて30分〜1時間ぐらいローストする。

6.お皿にトマトソースを流し、その上にカリフラワーを置く。

2.魔女の指

<材料>

・バター…70g
・チェダーチーズ(すりおろしたもの)…110g
・中力粉…90g
・コーンミール…15g
・卵…1個
・塩…適量
・アーモンドスライス…約30枚

<作り方>

1.オーブンを180℃に温める。

2.アーモンドスライスと卵以外をフードプロセッサーに入れて、よく混ぜる。

3.卵を入れて、何回かかき混ぜ生地をまとめる。

4.生地にラップをかけて冷蔵庫で30分ほど休ませる。
5.クッキングシートに生地を挟んで、縦12cm、横25cmに伸ばし、20〜25等分する。
6.魔女の指のように曲げたりして、関節の筋をナイフの先でいれて、指先にアーモンドスライスをつける。
7.オーブンで約15分焼く。

8.粗熱が取れたら、トマトソースやラズベリージャムなどで、指に血を描く。

3.目玉カクテル

<材料>

・ライチ…適量
・ブルーベリー…適量
・赤いジュース(クランベリージュースなど、混ぜてもよい)…お好みの量

1.ライチの穴の部分にブルーベリーを入れて、目玉のように見せる。

2.ジュースの色は水で調整して、氷をたっぷり入れて、(1)を浮かせる。

アメリカというお国柄なのか、簡単な食べ物がパーティーでも並ぶことが多いです。それよりも、演出の方に力を入れています(笑)。今回紹介したレシピはどれも簡単に作れるので、ハロウィンの夕食に是非添えてみてください。

メイン画像提供:Adobe Stock

明比玲子

兵庫県芦屋市生まれ。1989年に渡米し、ニューヨークのシェフ養成学校で学んだ後、本格的に料理に取り組む。著名レストランでパティシェとして経験を積み、アメリカ人と日本人に料理とお菓子の指導も行う。日本の料理雑誌への寄稿やフードスタイリングも行いつつ、2008年からは、コンサルティングの仕事なども兼ねながら、ニューヨークセレブのプライベートシェフとして、活躍中。
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