冬の風物詩といわれる「みかん」。スーパーなどの店頭にみかんの箱が並び始めると冬の到来を実感しますよね。今回はそんな「みかん」に関するお悩みについて徹底リサーチ。 野菜博士の緒方湊くんに、みかんの選び方からおいしい食べ方まで、知っておいて損はない「みかん」のお役立ち情報を聞いてみました。
品種にもよりますが、小さめのみかんの方が甘いです。大きいみかんにもおいしいみかんは存在しますが、みかんはサイズで言えばMまでの、基本的に小さいほうが味が濃くておいしいと言われています。僕も大きなみかんを食べ比べしてみたのですが、大きなみかんは味が薄くなっているような感じました。購入するときはSサイズ、またはMサイズのみかんを買うことをおすすめします。
ただし、年末年始から店頭に並ぶ、皮が分厚くて平べったい「青島」という品種は、大きさによって味の変化はありません。
丸いものより、平べったいもののほうが、酸っぱくないみかんが多く、おいしいと一般的に言われています。みかんは縦に成長してから横に成長するとも言われており、甘みが増すのは横に成長するとき。よって、横にへん平な形をしているほうが甘い場合が多いとも言われています。
みなさんは色が薄いみかんと濃いみかん、どちらを買いますか?甘いみかんを食べたい方は、皮の色が濃い方を選んでください。皮の色が濃いみかんは太陽をたくさん浴びており、光合成がたくさん行われているので糖分の高いみかんになります。
また、傷がついているみかんは避けがちですが、これは甘くなっている証拠。みかんは木の外側で育つと葉や枝に当たってキズがつきますが、日光を浴びて甘みがアップします。皮の表面もしっかりチェックしてみてください。
みかんの皮にあるつぶつぶを見ると、つぶつぶが細かく多いものと、大きく少ないものがあります。このつぶつぶは「油胞」と言い、油胞が多いほどきめの細かい皮になります。そしてキメが細かい皮のみかんは甘いものが多いです。だから、つぶつぶが細かく多いみかんを選ぶと良いです。
なぜキメが細かい皮のみかんが甘いのかと言いますと、枝の先端近くにぶら下がった実が多いからです。ぶら下がったみかんには糖分がたまりやすく、みかんが付いている枝も栄養を葉や幹に回すのではなく、果実に回そうとします。それでみかんが甘くなるのです。
イメージとしては、軸が太いほうが栄養がみかんにいっていておいしいのでは?と思いがちですが、ヘタの軸が太いみかんは大きな枝になったものが多く、枝の中央部分の「導管」と呼ばれる通路から多くの水分が入り、大味になりやすいです。ヘタの軸が細いものは水分は少しで「師管」と呼ばれる通路から多くの栄養が送られています。
みかんはもちろんそのまま食べるのが一番ですが、箱買いしたり、たくさんある時は、冷凍庫で凍らせて食べる30分前くらいに冷凍庫から出しておくと皮もむきやすくなります。みかんを丸ごとトースターや網で焼いて食べる「焼きみかん」もおすすめです。
みかんを皮ごと焼くことにより、みかんの皮に含まれるビタミンCやβクリプトキサンチンなどの成分が果肉に浸透し、免疫力を高めてくれます。ちなみに焼きみかんは、秋田県や宮崎県ではとてもメジャーな食べ方だそうです。
・レンコン一節
・みかん大一個
・砂糖大さじ1
・酢大さじ1
・塩 ひとつまみ
1.レンコンの皮をむき、薄切りにする。
2.みかんを絞り、みかん果汁と砂糖、酢、塩を鍋に入れ火をつける。煮立ったらレンコンを入れ、レンコンに火が通るまで煮る。
・大根200グラム
・みかん大一個 塩少々
1.大根を千切りに、塩もみをする。
2.みかんの皮をむいておく。
3.大根を絞って水気をきる。
4. みかんと大根を混ぜて出来上がり。
みかんの保存温度は5〜10℃なので、冬時期は常温で大丈夫ですが、暖かい部屋に保存している場合は、玄関や廊下など温度の低い涼しい場所へ移動させた方が良いです。乾燥はNGなので、みかんのヘタを下にして保存しましょう。
また、ヘタの部分が1番かたいのでみかんの重さから保護します。湿気もNGなので、キッチンペーパーや新聞紙を下に敷くといいですよ。箱買いした場合、箱の中のみかんの上下を入れ替えて、傷んでいるみかんと一緒に保存すると傷みが移るので、傷んでいるものはすぐに食べましょう。
酸っぱすぎたり味のない“ハズレみかん”にあたってがっかりした経験がある人も多いはず。今度からみかんを選ぶときはこれらのポイントをチェックしてみてください。甘くておいしいみかんに当たる確率がぐんと高くなるはずですよ!
画像提供:Adobe Stock
\まいにちのお買い物が、宝探しみたいに楽しくなります!/
いつも使っている身近な野菜の選び方・食べ方・保存法など、すぐに役立つワザを最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんがクイズ形式で解説してくれる一冊です。
クイズにこたえながら、野菜のおいしい食べ方を身につければ、自然と料理も上手になってしまいますよ。ぜひお手元に一冊どうぞ。
最年少野菜ソムリエプロ。
幼少期から野菜や果物が大好きで、8歳で「野菜ソムリエ」、10歳で「野菜ソムリエプロ」に合格。多くのメディアでも紹介され、「天才野菜博士ちゃん」としてテレビ出演も多数。
自宅の菜園で日本各地の「伝統野菜」を栽培をしつつ、イベントや講演を通して野菜の魅力を発信中。
ウェブサイト:みなとの野菜大辞典