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コラム

毎朝の1杯は白湯より◯◯!水にアレを入れるだけで免疫力がアップするってホント?

2019年から始まった新型コロナウイルス感染症の大流行によって、体の「免疫力」を高めておくことが極めて重要だという事実は、多くの方が感じているのではないでしょうか。実は、毎朝ある飲み物を飲むことで、簡単に免疫力アップが期待できる方法があるんです。今回は、耳鼻咽喉専門医である清水智之医師が監修、柔道整復師・松本恒平氏による著書『「水と塩」でできる究極の免疫セルフケア』(三笠書房)から、免疫力をアップする方法について少しだけお届けします。

日本人の70パーセントが該当?
水と塩を取らない人ほど免疫力が下がりやすい!

ご本人が自覚できていることは非常に少ないのですが……。
なんと日本人の約70%は水不足。そして、ほとんどの人がミネラル(塩)不足です。

私たちの体は「ミネラル水」、つまりミネラルが含まれた水分で満たされています。細胞レベルで見ても、然りです。「細胞内液」にはカリウム、「細胞外液」にはナトリウムが多く存在しています(カリウムもナトリウムも、どちらもミネラル成分ですね)。

細胞の内と外が「浸透圧」を一定に保つことで、人体の健やかさは保たれ、生命が維持されます(「浸透圧」とは、濃度の異なった2種類の液体をとなり合わせに置いたとき、互いに同じ濃度になろうとする力のことを言います)。

ミネラル豊富な「塩」が不足していては、免疫が高く保たれ、エナジーフローが整うはずがありません。これほど大事なミネラル分(=塩)なのですが……。残念ながら、多くの日本人は摂取量が不足しがちの傾向にあります。

そこに加えて、日本は世界的に見ると「蒸し暑い国」で、汗を多くかきます。つまりミネラルが体外へと排出されてしまいやすい。だから塩をよほど積極的にとらないと、免疫が低下し、体の状態はどんどん悪くなってしまいます。

もし「ミネラル」が足りなくなると、人体はいったいどうなるのでしょうか?

恐ろしいことに、飲食からとるミネラルが不足すると、体は手持ちのミネラルを使おうとします。体、つまり骨を溶かし、そこからミネラルを補おうとするのです。そのような状態では免疫が下がり、さまざまな不調が引き起こされるのは、言うまでもありません。

朝、目覚めの1杯にはミネラル水をとろう!

起床直後にミネラル水を飲むメリットは、まず就寝中の脱水状態を解消できること。そして、活発に排泄が行われる「朝の体の働き」が、促されることです。

このお話をすると、よくこんな声をいただきます。

「僕は、朝は〝コーヒー派〟なんですよ。コーヒーもミネラル水も、どうせ同じ〝水分〟だから、『朝1杯のコーヒー』でも同じような効果が期待できますよね?」

残念ながら、答えはノー。コーヒーには「カフェイン」という利尿作用のある成分が含まれています。ですから、コーヒーに含まれる水分を体内に取り込むことができても、その後、カフェインとともに体外に尿として排出されることに。つまり、「コーヒーでの水分補給」は難しく、脱水状態の改善には不適なのです。

「では、市販のミネラルウォーターをコップに1杯ではどうですか?」

そう聞かれることもありますが、一般的な「水」だけでは力不足です。理由は「ミネラルウォーター(ピュアな水)には塩が入っていない」から。

就寝時の発汗では、大量の水分と「電解質」(イオン)が失われることがわかっています。電解質とは、水に溶けると電気を通す物質のこと。主な電解質としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム……。つまり「ミネラル」の仲間が挙げられます。

電解質は細胞の浸透圧の調節や、筋肉細胞の働き、神経の伝達などの生命活動に深く関係しています。体内の電解質の濃度(塩分濃度)が下がると、筋肉が収縮してけいれんや筋肉痛、足のつりなどが起こることがわかっています。

そのような状態で水だけをとると、血液中の電解質の濃度はより一層薄まってしまいます。すると「電解質の濃度を一定に保たなければ」と体が判断し、電解質の濃度を上げるために水分を尿として排出してしまうのです(このような現象を「自発的脱水」と呼びます)。のどの渇きがおさまっても、体温が上がるなど、体に異変が起こるというわけです。

つまり、起床後の「1杯のピュアな水」は「かえって危険」なのです。塩を足したミネラル水を飲めば、水も塩(電解質)も同時に効率よく摂取できます。

良い水と塩を揃えよう!
ミネラル水のつくり方

ミネラル水は、誰でもすぐつくることができます。

キーとなるのは、その濃度。「血液中の塩分(0.9%)と同程度だと、水分が最も吸収されやすく、体内にとどまりやすい」とされています。適度な濃度のミネラル水をとることで、細胞の外の脱水(主に血液中の水分が少なくなること)や、細胞の中の脱水を防ぐことができるのです。

使用する「水」は、純粋な「水」(できればミネラルウォーター)であることが大事です。「塩」は「自然塩」「天然塩」を選んでください。

良い水と塩を揃えたら、1lの水に1〜2g(塩2g=小さじ3分の1よりやや少なめ)の塩を溶かします。これを1日2lを上限に、小分けにして飲みましょう。

つまり、ミネラル水からとる塩の1日の摂取量は、2〜4gです。良質のミネラル豊富な塩は、とりすぎた場合は体外に排出されます。また、水に塩を完全に溶かさない状態でも効果は期待できます。

心臓疾患や腎臓疾患のある方、高血圧の方、60歳以上の方は、最初は塩を規定量(1lの水に1g)の4分の1にしてください。体調に異変がなければ、3週間後に「1lに1g」になるよう、徐々に増やしてみましょう。

※ミネラル水の1日の摂取量の上限は2lです。この規定量はお守りください。
※「1日2l」の常飲を続けて3週間経っても「お腹が張り続ける」という違和感が常にある場合は、念のために、中止されることをおすすめします。
※腎臓病など疾患のある方は、主治医に必ず確認・相談のうえ、摂取を始めてください

本文は『「水と塩」でできる究極の免疫セルフケア』(三笠書房)より一部抜粋・編集・追記しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

日本人は、水不足、塩不足です。昨今、減塩ブームではありますが、塩に対する誤解も多く見られます。天然の塩に含まれている良質なミネラルが足りないことで、病気も増えているのです。私たちの食事に欠かせない塩は、免疫力アップのほか、体の浄化、炎症の抑制、筋肉がつることを防ぐ、毒素排出、血圧調整などに役立ちます。本書では、人が「羊水という海水」から産まれている胎生学の観点から、適量の水と良質な塩をとることで、簡単にできるセルフケア法をお伝えしています。ぜひ、健康増進に活用してみてください。

書籍紹介


7万人の体をケアした治療家が見つけた、「水」と「塩」で健康になる方法!

良質な水と天然塩を合わせた「ミネラル水」を飲む習慣で、免疫アップをはじめ、肩こり、腰痛、骨盤の歪み、高血圧、不眠など心身の不調が改善!心身が整い、最高のパフォーマンスを発揮できる!

その理由は、ミネラル水によって、血液、リンパ液に続く「第3の体液」と呼ばれ注目される「脳脊髄液」を増やすことができるからです。

・良質な水と塩を取るだけで、免疫はアップする
・健康に良い塩・良い水の見分け方
・若さとは「水と塩」のバランスだった
・自宅でできるセルフケア・エクササイズ
・神経をハイエナジー状態に保ち、オフィスワークでも成果UPする方法

ハードな仕事をこなすプロスポーツ選手や人気芸人も著者の指導のもとに実践し、その効果を実感!

著者紹介

松本 恒平 (まつもと こうへい)
治療家、柔道整復師、整体師、カイロプラクター、ホステオパス。1980年島根県生まれ。京都産業大学外国語学部卒業。大学在学中にお笑い芸人を志して、吉本興業NSC25期生として5年間在籍。同期生は、ジャルジャル、銀シャリなど。しかし、舞台と過労のため椎間板ヘルニアを患い歩けなくなり、整体で改善したことで自らも治療家の道に入り、整体院ボディーケア松本を開院。独自の手法である、整体・癒楽心体療法を開発、セルフケアのアプローチが評判になる。特に、血液、リンパ液に次ぐ「第3の体液」と呼ばれる脳脊髄液に注目、免疫を高めるメソッドとして確立し、さまざまな体の不調に対し大きな治療効果を上げている。プロスポーツ選手、芸能人など、多数の著名人クライアントからの信頼も厚い。元関西医療大学準研究員、一般社団法人日本統合手技協会代表理事。

監修者紹介

清水 智之 (しみず たかゆき)
あいばクリニック院長、医療法人あいばクリニック理事長。奈良県立医科大学医学部卒業。日本耳鼻咽喉科学会専門医。

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